- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003101063
感想・レビュー・書評
-
NHKラジオの「朗読」で取り上げられていたのをきっかけに再読。田舎から東京に出てきた三四郎に新たな経験が怒涛のように押し寄せる。戸惑いながらも受け止めていく姿に、これからも社会に揉まれて成長していくことを予感させる。2020.6.24
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
てっきり姿三四郎の話だと思っていたのですが、全く違ったんですね。恥ずかしい。
物語は純粋な三四郎の心の動き襞を克明に描写しながら進む。現代では、こんな恋愛あり得るのかと思うところは多々あるが、案外変わってないかなと思うところもある。なんだか愛おしく見守ってあげたい気持ちになりました。 -
上京したての大学生が悩むことなんて、百年前でも今もさして変わらない。
大学一回生の頃を思い出してとても懐かしい気持ちになった。時間をおいて再読したい。 -
迷える仔羊。ストレイシープ。
何度も繰り返されるこの言葉が頭の中で、点滅を繰り返している。登場人物にご親切に心中を語らせるのではなく、その些細な行動で心を描き出す手腕に、この作品の魅力があると思う。
あとは、ロマンという言葉じゃ物足りない、この時代の艶かしさ!
文豪はやはり文豪。平伏しきり。 -
夏目漱石の前期三部作と呼ばれる3作(三四郎・それから・門)の一作目。
この3作は独立していて主人公も別、世界観に繋がりもないのですが、なんとなく前の物語から次の物語に続くようになっていて、前作の主人公が成長すると次の作品の主人公のようになり得る、次の物語のようになっています。
本作の主人公「小川三四郎」は九州の田舎から上京してきた大学生で、純朴さの残る素直で真っ直ぐな青年です。
三四郎が東京でいろいろな人や考えに触れ、体験し学ぶ話なのですが、どのような物語であるかを説明しようとするとどうも難儀します。
何を書き出そうとしても言葉にした途端に違うものになるというか、日本語って存外不自由なんだなと思いました。
大学構内の池の畔で出会った女性「里見 美穪子」と友人の「佐々木 与次郎」、三四郎の同郷で理学教師の「野々宮 宗八」宗八の妹「よし子」、そして上京時の列車で偶然乗り合わせた、与次郎が慕う英語教師「広田 萇」が中心人物。
三四郎は美穪子を気にしていて、三四郎と美穪子の関係が本作で重要な要素なのですが、三四郎が美穪子に恋をしていたのかというと、それについて作中具体的な記述はありません。
また、宗八が用品店でリボンを購入し、そのリボンを後日美穪子が身につけていたことを三四郎が気にする描写があるのですが、やはり宗八と美穪子の関係性についても説明はなく、また、三四郎がそれを見たことで感じた思いについても直接の記述はなく、状況や行動から、読者はそれを察するしかないです。
結局の所、三四郎は美穪子に恋をしていたのかというと、それは読者自身が判づるところであり、そして実際のところそこは本作においては重要な部分ではないです。
物語は基本的に三四郎の主観で、三四郎が語り部となり進むのですが、三四郎の知らぬところで進行する話があり、三四郎の目線から、登場人物の思い、行動について察して読み進めるような部分があります。
夏目漱石は"I love you."を「月が綺麗ですね」と訳したという有名な逸話がありますが、本作を読むと強ち嘘ではないと思えます。
読むのが難しそうに感じますがストーリーがわかりやすいためか結構読みやすく、楽しく読むことができました。
本作は読む人によって捉え方が異なるような気がします。
実直な三四郎を、振り回そうとして振り回せなかった美穪子が、その想いに気づかないまま選んでしまった過ちに至るまでの物語、と、私は解釈しました。つまり、悲劇であると思いました。
ただ、もう一度読むと、別の感想を持ちそうな気がします。どういった感想を持ったか共有したくなる、そんな一冊でした。 -
柔道の話と思ったが全然違った。それは黒澤明だな。なぜ名古屋で四日市妻とやらなかった。後悔しているだろう、三四郎よ!
-
青空文庫で読了。最後に読んだのは小学生だったのでほんと久しぶり。こんなの、小学生に分かるわけないよね。切ない話です、、