- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003101414
感想・レビュー・書評
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始めは文体に慣れずにページが進まなかったけれど、慣れるとともにお話が面白くなってきてどんどん読んでしまった
貫一がお宮に抱く想いには、時代も感じられ、そのまま素直な共感としては頷けない
貫一の、「売られた」という悔しさや、お宮への憎しみは、当時の人々にとっては容易に共感できるものだったのだろうか
それでもやはり貫一に感情移入して読んでしまうし、お宮のことも腹立たしいとともに哀れにも思ってしまう
新聞小説として世に出て流行したということが凄くうなずける程に、ページをめくる手が止まらなかった
時代も文体も慣れないものなのに、それがほとんど気にならないくらいほど
教科書なのに、お話として楽しく読んでしまった詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本語の勉強のため。
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熱海などを舞台とした作品です。
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冒頭の描写など、文体により読みづらかったが、何とか読破‼大学の授業のために読んだのがきっかけだが、この作品は読んで良かった‼金色夜叉からは金の亡者のイメージがあるが、貫一からはそんな感じはしてこず、むしろ、何かに満たされたいと彷徨っているように思えた。愛情の裏は憎しみではないと改めて感じた。
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表紙は熱海の海岸で貫一がお宮を突き放す有名なシーン。
相手の心を知りたくて信じたくて、それゆえ翻弄され葛藤する貫一の存在は、まさに近代文学のデフォルトのようである。
最終的に待ち受ける貫一とお宮の運命は、作者の死によって永遠の謎となった。 -
熱海の温泉に漬かりながら読んだので(ry
未完なのが悔やまれます。 -
文語体の文章は正直少々読みにくいですが、やはり薫り高い。
読み下すのに時間が掛かる地の文とは対照的に、会話部分は極めて軽妙です。
頑なに他者を受け入れない貫一にシンパシー!
1126-1206
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金の誘惑にひかれた婚約者鴫沢宮に裏切られた一高生間貫一は、学業を止め、金力の鬼、金色夜叉となって社会に報復しようとする。しかし、心は充たされない…。最晩年の尾崎紅葉(1868-1903)が心血を注いだ、渾身の大作。
<font size="3">「また考えて見ると、<ruby><rb>憖</rb><rp>(</rp><rt>なまじ</rt><rp>)</rp></ruby>い人などを信じるよりは、<ruby><rb>金銭</rb><rp>(</rp><rt>かね</rt><rp>)</rp></ruby>を信じた方が<ruby><rb>間違</rb><rp>(</rp><rt>まちがい</rt><rp>)</rp></ruby>がない。人間よりは金銭の方がはるかに<ruby><rb>頼</rb><rp>(</rp><rt>たのみ</rt><rp>)</rp></ruby>になりますよ。頼にならんのは人の心です!」</font>