アベラールとエロイーズ愛の往復書簡 (岩波文庫 赤 119-2)

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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003211922

作品紹介・あらすじ

アベラールの自伝「厄災の記」が語る神学者の栄光と蹉跌、去勢事件、修道士への転身。「神なき修道女」となったエロイーズからの懊悩の手紙に、いかに答え、いかに導いたか。中世古典の白眉から「愛の手紙」部分を新訳。波瀾の男の最期を伝える資料を付す。

感想・レビュー・書評

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  • エロイーズの文章がすごく綺麗ですっと入った。ここまで素直で、まっすぐな文章でのラブレターっていいなって思う!!

  •  中世哲学を学ぶ途上で絶対に避けて通ることができない人物がいる。アベラールという当代随一の神学者が、才女エロイーズと出会ったことから、彼の人生最大の幸福と不幸が同時に去来することとなった。

     その文章を読めば、エロイーズの高い知的能力のほどが伺える。

    ・・・クセノフォンとその妻を相手に、賢女アスパシアが用いた論法がまさにこれでした。その賢女は、二人をお互いに若いさせるためにお得意の帰納法を用いたわけですが、それは次のようなことばで結ばれています。

     ですから、この世にはこれ以上立派な男性も、これ以上魅力的な女性もないのだということを納得されないかぎり、あなた方は最善だと思われる相手をずっと探し続けるほかありません。つまりご主人、あなたが最良の女性の伴侶であり、奥様が最良の夫の妻であるということになるまでは。

  • なんでこの本が霞が関に捨てられていたのか、わけがわからない。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/707895

  • 教師と教え子、歳の差20歳やその後のセンセーショナルな事件に注目されがちだけれど、12世紀当時の心を込めたフレーズが興味深い。
    宗教と慣習に縛られ、手紙は他者に見られることが当たり前な中これはある意味愛の宣告。

  • 2010/2/1購入

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著者プロフィール

1941年長野県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。文学博士。東京外国語大学名誉教授。専門は西洋古典文学。
主な著訳書
『サッフォー—詩と生涯』(平凡社、後に水声社)、『讃酒詩話』、『和泉式部幻想』(以上、岩波書店)、『陶淵明私記—詩酒の世界逍遥』(大修館書店)、『西行弾奏』(中央公論新社)、『エラスムス—人文主義の王者』(岩波現代全書)、『式子内親王私抄—清冽・ほのかな美の歌』、『人間とは何ぞ—酔翁東西古典詩話』(以上、ミネルヴァ書房)、『古代西洋万華鏡—ギリシア・エピグラムにみる人々の生』(法政大学出版局)、『ギリシアの抒惰詩人たち』(京都大学学術出版会)、『ピエリアの薔薇—ギリシア詞華集選』(水声社、後に平凡社ライブラリー)、『ホメーロスの諸神讃歌』(ちくま学芸文庫)、エラスムス『痴愚神礼讃—ラテン語原典訳』 (中公文庫)、オウィデイウス『恋愛指南—アルス・アマトリア』(岩波文庫)、『黄金の竪琴—沓掛良彦訳詩選』 (思潮社、読売文学賞受賞)、『ギリシア詞華集』全4冊(西洋古典叢書、京都大学学術出版会)、など

「2021年 『オルフェウス変幻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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