- Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003211922
作品紹介・あらすじ
アベラールの自伝「厄災の記」が語る神学者の栄光と蹉跌、去勢事件、修道士への転身。「神なき修道女」となったエロイーズからの懊悩の手紙に、いかに答え、いかに導いたか。中世古典の白眉から「愛の手紙」部分を新訳。波瀾の男の最期を伝える資料を付す。
感想・レビュー・書評
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中世哲学を学ぶ途上で絶対に避けて通ることができない人物がいる。アベラールという当代随一の神学者が、才女エロイーズと出会ったことから、彼の人生最大の幸福と不幸が同時に去来することとなった。
その文章を読めば、エロイーズの高い知的能力のほどが伺える。
・・・クセノフォンとその妻を相手に、賢女アスパシアが用いた論法がまさにこれでした。その賢女は、二人をお互いに若いさせるためにお得意の帰納法を用いたわけですが、それは次のようなことばで結ばれています。
ですから、この世にはこれ以上立派な男性も、これ以上魅力的な女性もないのだということを納得されないかぎり、あなた方は最善だと思われる相手をずっと探し続けるほかありません。つまりご主人、あなたが最良の女性の伴侶であり、奥様が最良の夫の妻であるということになるまでは。 -
なんでこの本が霞が関に捨てられていたのか、わけがわからない。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/707895 -
教師と教え子、歳の差20歳やその後のセンセーショナルな事件に注目されがちだけれど、12世紀当時の心を込めたフレーズが興味深い。
宗教と慣習に縛られ、手紙は他者に見られることが当たり前な中これはある意味愛の宣告。 -
2010/2/1購入