動物農場: おとぎばなし (岩波文庫 赤 262-4)

  • 岩波書店
4.10
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本棚登録 : 1095
感想 : 131
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003226247

感想・レビュー・書評

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  • 「1984」で有名なオーウェルだが、個人的には初めて読んだ。農場の動物たちが農場主の人間に反抗して追い出し、動物たちの自治を獲得しながらも、その理想主義的な理念が次第に独裁へと変わっていく様子を「おとぎばなし」として描いている。ロシア革命やソ連内部の路線闘争について詳しくないが、それでも、スターリン派とトロツキー派の抗争とか、残虐な粛清のことだと分かる。おそらく、当時の人たちは、もっとリアルに反ソ的な内容だと分かったのだろう。
    独裁者、特権階級、彼らを守る暴力装置たる軍隊・警察、それに対し、革命の理念をあくまで維持しようとする者、現実を理解しながら見て見ぬふりをする者、ニヒリスト、右往左往する大衆などが出てきて、社会主義革命の裏の一面を鋭く描いている。

  • 3.2

  • おとぎばなしというサブタイトルの通り読みやすい本ではあったが、内容については子供が理解できるのかという疑問は残る
    ソ連についての社会風刺を題材として書かれており内容もそこそこ歴史を周到しているとは思うが、私は本文よりもその後に挿入されている「出版の自由について」という序文に、より興味をひかれた
    現代日本においても有害図書の指定など中世の黒歴史を想起させるような悪法が存在し、明らかにその法自体が害を為しているわけであるが、この本をきっかけに法規制等の妥当性についても関心が深まり、社会へ目を向ける一助になったと感じている

  •  動物たちが自由を求めて立ち上がるも、徐々に獲得した自由が束縛されていき、結局は最初の状態に戻っていく..
     ..といった内容に共産主義批判にテイストした内容。


     アイロニーでシニックな文章を好む人にオススメ

  • これを読んでなお、社会主義を賛美する者があるだろうか。

  • オーウェルの創作の原点がわかる。『1984年』だけの作家ではない。著者本人による長い付録と、訳者による解説も充実している。

  • 言葉と偏った情報に翻弄される動物たちはやはり家畜でしかない。ロシアによるウクライナ侵攻の時期、この本を読む意味は少なからずある。

  • 『1984』もそうだったけど、ラストの展開にちょっと驚いた。

  • 他の出版本を読んでいないが、翻訳がいい
    付録、解説もいい
    ジブリ映画や石ノ森漫画にも興味が湧いた

    読んでいる途中でソヴィエト神話の話だとわかった
    チャーチル、ヒトラーも描かれていたのに…
    もっと読み始め頃に、気づきたかった
    自分の無知さにがっかり
    内容紹介読んでおけば良かった

    ウクライナも関係していた
    政治と権力の恐怖、批判的思考の欠如、他人事ではない

  • 2020.01.03読了。
    身構えていたけれど意外と読みやすかったです。
    ソヴィエト社会主義を動物寓話の形で批判的に描いています。結末で二足歩行し始めた豚には引っくり返りました。なんて恐ろしい小説なんでしょう・・・。
    印象的な言葉は、本文ではありませんが「自由を恐れるのは自由主義者であり、知性に泥を塗りたがるのは知識人なのである(P.199)」。
    また、翻訳・解説の川端康雄さんの言葉「ディストピアのかたちによってしか語りえない希望というものも、またあるのだ(p.253)」。

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著者プロフィール

1903-50 インド・ベンガル生まれ。インド高等文官である父は、アヘンの栽培と販売に従事していた。1歳のときにイギリスに帰国。18歳で今度はビルマに渡る。37年、スペイン内戦に義勇兵として参加。その体験を基に『カタロニア讃歌』を記す。45年『動物農場』を発表。その後、全体主義的ディストピアの世界を描いた『1984年』の執筆に取り掛かる。50年、ロンドンにて死去。

「2018年 『アニマル・ファーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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