- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003227626
感想・レビュー・書評
-
小さいときに乱歩の「透明怪人」を読んで以来、気になっていたもの。
透明人間は意外と好戦的。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/707586
顔を包帯で巻いた謎の男が村にあらわれ、宿で実験を始めた。
やがて実験は成功し、彼の体は透明になり消えてしまうが…。
悪意、憎しみ、恐怖。そして明らかになる透明人間の哀れな過去とは? -
SF の名作。さすがのストーリー。展開がややゆっくりに感じるが、細部も書き込まれていて、当時の様子がわかって興味深い。
昔話や空想で「もし透明だったら」と考えると夢がある。しかし、現実的に考え、科学的スパイスで調理して、アナーキズムや革命など時代的な味付けをすればこうなるのかもしれない。透明人間が結構間抜けなところもあり、完全なヒールという感じでもないのが面白かった。 -
「透明人間になりたい」。誰もが一度ならず思ったことがあるだろう。透明になって、あんなことやこんなことをしたい、と。透明になったら困ることがあるとは、考えもしなかった。
ウェルズの描く透明人間は、各地で騒ぎを引き起こす。逃げ惑う市民たち。見えない者を追う警官。存在がバレそうになると容赦なく暴力を振るう透明人間。繰り広げられるドタバタ劇と、透明人間の身の上話に引き込まれ、一気に読了。
偉大な発見をするために研究に没頭し、財産どころか姿まで失い、挙句の果てに友人にも裏切られた透明人間にちょっぴり同情した。 -
物語中盤の透明になる解説が興味深い。今では定番の透明人間ものの古典であるが、光の屈折、吸収、反射からの説明はわかりやすく面白い。
透明人間の邪悪さは、透明になり犯罪が容易になったことで起こったものとは思えない。もともと人間誰もがもつ暴力性、支配欲の強調だと感じた。
透明人間に襲われる恐怖は、幽霊よりも怖いかもしれない。 -
透明人間が駅馬車亭に現れ、クリケット選手亭で暴れるまではドタバタでコミカルな感じ。どこかドリフチック。それが、透明人間がケンプ博士邸を訪問してからクライマックスに至るまでは、スリリングが増しハラハラドキドキの展開。透明人間が語る19世紀のロンドンの活発な雰囲気も興味深いものがあったが、私には大学の同窓でありながら、一方は科学分野の成功者であるケンプ博士と他方は社会の落伍者となった透明人間との格差を感じざるを得なかった。彼が透明人間にならざるを得なかったのもそこにあったのではないかと考えると切ない話である。
-
透明になる理屈や、透明になった場合の実質的な問題がリアルなのがこの作品の根幹で、そこをしっかり押さえれば、ストーリーはそれほど錬られてなくても、充分なインパクトを後世に残せるんだなという感想を持った。
-
今読んでも新しい
-
資料ID:C0000300
配架場所:2F文庫書架