花・死人に口なし 他7篇 (岩波文庫)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003243060

作品紹介・あらすじ

19世紀ウィーンを体現する愛欲と情緒の作家シュニッツラー(1862‐1931)。彼は、愛し、悩み、裏切られ、死んでいく人間たちを倦むことなく描き続け、メランコリックな情調を漂わせて人生の儚さを強く印象づけた。表題作の他に、全9篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • ロシア、フランス、イギリス、アメリカ、は時々読むが、ドイツ系の小説は『賢者ナータン』以降、長らく読んで無いなあ、と思い、ドイツ出張前に思い立って読んでみた。

    表題作二篇が有名なのだろうが(どの作品も初めて見る名前だったが)『盲目のジェロニモとその兄』が一番面白かった。真実に気が付き、世界が反転する瞬間を描いた作品、と言えるだろうか。

  • ずいぶんクラシカルでメランコリックやないの、アタシ向きじゃないわ、と読み進めたが、やっぱこれも怖いやつに思えてきて。。。「あなたあーお帰りなさい。覚めないうちにご飯食べてえ」そう言って妻が用意した食事は全て蝋細工だった。「どおして食べないの?わざわざあなたのために一生懸命作ったのよお」なんかそういう、表面だけはリア充装って心は死んでます、みたいなつめたーい冷気が読んでるうちにひたひたと心臓部に染み渡ってきました。「エイジオブイノセンス」っていう映画思い出しました。ダニエルデイルイスってすごい俳優だな。

  • ◆きっかけ
    沢村貞子『老いの楽しみ』p97で、沢村さんが
    「お互いにたすけあう人間の愛情を、シュニッツラーの『盲目のジェロニモとその兄』やO・ヘンリーの『最後の一葉』など、たくさんの本が教えてくれた。西鶴・一葉・緑雨から、ドフトエフスキー、チェーホフ、ゾラなど……文字通りの乱読だったけれど、おかげで、一生懸命、考えたり悩んだりして、どうにか自分なりに生きてきた私に、すこしも悔いはない。 若いときから、読者の習慣が身についたことを、いまも、何よりの幸せ、と思っている。」
    と書かれていて、気になって。2017/12/18

  • 2021年 19冊目

     抒情たっぷりの作品集。短編だからか唐突にラストを迎えるものも多くオチも大体一緒。かといって、「ロマンス映画を2時間まるまる観られますか?」と問われるとそれはしんどいので物足りる。
     「愛」と「死」なんて通俗小説的なテーマなのに何となく高尚な気持ちで読めたのは、作中に生気を感じず虚ろな雰囲気が漂ったから。それでも覇気のない人物たちと「死」には隔たりがあり、一層「死」というものを印象付ける。

    以下適当メモ
    「花」
    元カノが死んでいたことを知り憮然とする主人公のもとに生前注文していた花が自宅に届く。よすがを捨てられず、枯れたあともその花を飾り続ける。

    「わかれ」「死人に口なし」
    愛人への思いと自身の保全が交錯する心理描写が逸材でそわそわした(私は不倫してないけど)。後ろめたい関係ってやっぱりイヤだなあ。

    「レデゴンダの日記」
    おもしろかった。

    「情婦殺し」
    作中いちのくそやろう。ラスト1行めっちゃいい。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、開架図書(1階) 請求記号:943.7//Sc5

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