- Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003255216
感想・レビュー・書評
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「超有名人、有名作品、だけど読んだことはない、という作品を読んでみよう」活動の一環とした手に取ったものの、難解だった。小林秀雄訳、というのも興味はあったのだが。
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小林秀雄訳ランボーの引用を、全く予期しない本で見てその格好の良さに驚いて購入。小林全集は持っていたが翻訳はスルーしていた。ランボー詩集は別訳のを数冊持っているがこの訳者のは明らかに違う。意味とか脈絡とか関係なく、言葉の迫力やアジテーションや喚起するイメージの力が素晴らしい。ようやくランボーの凄みが分かった。個人的に断定の歯切れ良さと発想の飛躍さは訳者の評論を連想した。
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正直前半はそんなに面白いとは思わず。しかしこれが書かれたのは筆者が若干十代のときのはず…『悪の華』ほど毒吐きではないものの、その分若さによる激烈さに溢れてます…
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ふと古書店で気になって手に取ってしまいましたが、
仕事やプライベートで忙しい時に外国の、しかも詩を読もうとしちゃいけない……。
こういったものは心と時間に余裕のある時にゆったりとした気持ちで読むものだ、と実感いたしました。
またいつかゆっくりと読んでみよう。。 -
私はこういう詩人になりたかった3
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ランボー 地獄の季節 。別訳本や解説本と一緒に読むと理解が深まる。詩人ランボーの反抗と挫折、生活、魂の告白と消耗、言葉の破壊と虚無と創造
地獄=キリスト教的な地獄。私とは一つの他者→イロニー=自己からもう一つの自己を生み出すこと→自己を批判し、笑い、突き放すこと
「私は美を膝の上に座らせた」〜錯乱Ⅱ末尾「今、美にお辞儀できる」とつながっている
*美=既成の詩→詩に関わる前は 毎日が饗宴
*美→苦々しい奴→醜い内実をつく→ランボーの真骨頂
*私は正義に対して武装した=キリスト世界への反抗
*親愛なる悪魔=ヴェルレーヌ?
悪い血=自分探しの旅に出てはいけない
*ゴール人=自分のルーツ→悪い血の第一確認
*白人的な生や存在を拒否→黒人、獣としての生きる力
*黒人=非キリスト教的な野生の人、理想的な黒人
*自然のままの光の黄金の花火となって生きる
地獄の夜=キリスト教との戦い
*地獄にいることが 恍惚であり、悪夢
*火の雫(しずく)=地獄の洗礼を意味→地獄の季節の核心的表現→火と水の結合概念
*俺は疲れた=魂の費消
*キリスト教の観念、道徳に対して 偽りの回心
*ゆえに我地獄にあり=自分の弱さに我慢ならない→地獄の苦しみ
錯乱Ⅰ
*語り手は 狂気の処女へ。狂気の処女=初期のランボーの魂(キリストを信じていた)
*二人の共同性の破綻→憎しみ合う
錯乱Ⅱ言葉の錬金術
*語り手は 地獄の夫へ。地獄の夫=現在のランボーの魂
*母音に色=異教徒の言葉(フランス語ではない)
「最初は試作(エチュード)だった〜沈黙を、夜を書いた」
*かき出す術のないものも書いた=言い表せるものの限界を越えようとした
「私は 魔法の詭弁を 言葉の幻覚によって説明した」
*詩人の物語が詩人の挫折の物語へ反転
*言葉自体が幻覚を起こす→言葉が勝手に動き狂う
*一番高い塔の歌=狂い始めた言葉たち
「永遠」という詩
*永遠=太陽に溶け込んだ海→火と水の結合概念
*空無の詩
「私は架空のオペラになった」
*多声的演劇構造
*架空のオペラ=意義の小さい仕事
*道徳とは 脳髄の衰弱である→見栄を切っている
「私は虹の橋に呪われていた」
*虹=旧約聖書の神との契約→それにより 地獄に堕ちた
*幸福の詩
不可能、閃光、朝 は 地獄の夜から 朝へ。最後の別れへ -
タイトルに惹かれて読むが、いつも数頁たどったところで挫折する。薄っぺらいのに読みとおせない。
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正しいかはともかく読んで楽しめる小林訳。
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一読して、煌びやかな言葉ばかりで、イメージし辛いな、と思った。
最後の訳者後記まで読み終わってから、もう一度『地獄の季節』を読み返したら、今度はすっと受け入れることが出来た。
多分、度々読まないと、もっと深く文意を汲めないような気がする。
それはそうと、棕櫚と金剛石の比率が多いような気がするので、形態素解析してみたいと思った。 -
ひたすら凄いとしか言いようがないんだけど。
翻訳家の小林秀雄も凄い。
何たるボキャブラリー。
そもそも文学なんて 学生が読むものなんだから、何でも厨二病で片付けるのはどうかと思うよ。