民衆の敵 (岩波文庫 赤 750-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003275023

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  • イプセン 竹山道雄訳『民衆の敵』岩波文庫 読了。真実は正義か、多数こそ正義か、それとも。町の基盤産業である温泉が汚染されている事実を告発しようとした医師が、煽動された民衆によって敵と決議される戯曲。衆愚に対する憎悪が主題の一つとなっており、現代にも通じる本質的な論点がいくつも潜む。

  • 2017年に放映された月9のドラマは見ていないが、タイトルに惹かれて購入。温泉街にて温泉発見者の医師が温泉が汚染されている事実を公表を試みるが、町の権力者や町新聞、多数の市民から反対を受け、民衆の敵扱いされる。
    以下ネタバレ




    その中で主人公は問題の本質は衆愚にあり、何ものにもよらぬ精神的自立を果たした人間こそ強者であると訴える。
    当作品は1882年の作品だが、この作品の半世紀後には、民主主義によってナチスが政権をとっている。主人公の意見に与する気はないが、民主主義の難しさを表している作品。

  • 当時は相当反感を買ったと思われる主人公の過激な正義感と公正を描いた作品。主人公ストックマンの正義感と価値観、町長(兄)の経営危惧と価値観、どちらも同調できるものではあるが、当時は現代と違って意見が両極端に分かれ、どちらかに付かなければならない時に、いかに自分を確立し良心の声に耳を傾けるべきかを考えさせられる作品だと思う。周りに流されるか、周りと合わせていくか、自我を貫き通すか、意志を強く保ちつつ無難な選択をするか、様々な感情が交錯されている。非常に感慨深い。

  • 久しぶりに読んだ圧倒的なコメディ。

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