- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003311011
感想・レビュー・書評
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政治・経済を論じるのは、所詮酔っ払い談義に過ぎないという突き放したような諦観からくる、冷静な分析には舌を巻く。洋学紳士と豪傑君みられるようなタイプの問答は現代でもはっきりと存続している。
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浪人時
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中江兆民の思想が盛り込まれた傑作。現代語訳されているためとても読みやすく、また日本の経済・政治の論点が見える。この時代も今も根本的な論点は変わらないのだと思うと先人たちは偉大だと感じると同時になんだか少し残念に思えるが仕方ないことなのであろう。それが政治なのかもしれない。
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第2回「出会いを楽しむ読書会」にて、しゅうじさんが紹介してくれた本です!
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中江兆民がこの著作を執筆してから百二十余年。
未だに豪傑君、あるいは紳士君の一方の主張に拘泥する論調の、何と多いことであろうか。
「軍備なき平和」と「力による平和」の問題について南海先生はこうまとめた。
「外交上の良策とは、世界のどの国とも平和友好関係をふかめ、万やむを得ない場合になっても、あくまで防衛戦略を採る」こと。
何だか当たり前のようなこと、ともいえる。
しかしこの著作から得られることを高坂正堯は次のように記している。
「たいせつなことは、『軍備なき平和』と『力による平和』のあいだには超えがたいジレンマが存在するということなのである。このジレンマゆえに、そのなかに置かれた人間は大きな知的苦悩にもかかわらず、平凡きわまる答しか見出すことができない。」(高坂正堯「国際政治」)
非武装や核廃絶といった理念を唱えることを決して否定するわけではない。南海先生も言うように「思想は種子」「脳髄は畑」であるから、そういった理念が地球上のすべての人間に広がった場合、あるいは実現するときが来るのかもしれない。
ただ抽象的理念を単純化することで、先人たちが苦悩してきた問題から目をそむけるようなことだけはしてはならない。それは罪に値する怠惰である。
まずは上述したジレンマのような、「問題の困難性を認識」すること。
理念を掲げるのはその後からでよい。 -
豪傑君の自由党と改進党の話がわかりやすすぎて笑った
こんなこと書いたら確かに自由党怒るわww -
洋学紳士・豪傑君・南海先生の3人が酒をかわしつつ天下の趨勢について論じたもの。
思想について論じたものだが、文学的な表現なども満載でこの本の3人が論ずるという形式もあってか非常に読みやすく、読んでいて痛快である。
民主制とは何であるかと考えさせられる一書。
この本が書かれた当時の時代背景などを念頭に置きながら読むと、より一層楽しめると思う。 -
4/22読了。
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日本における政治思想の振幅は、ほとんどこの酔漢たちの議論の中で捉えられているといえる。
政治についてなにか訳知り顔に言ってみる前に必ず読んでおくべき名著。 -
授業での課題図書。
とても面白い!