- Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003311813
感想・レビュー・書評
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この本は新戸部が、日本に宗教教育はないのに日本人はどのように道徳を学ぶのか問われたことに対して書いたもの
武士が当時の日本人の道徳的模範となっていた
知識は学んだものの心に同化して初めて真の知識
義に過ぐれば固くなる、仁に過ぐれば弱くなる
義理は正義の道理であり第二義的、礼儀作法は精神的規律の単なる外衣
→内側の魂の重要性
忠義は奴隷となることではなく、その良心に従って主君に仕えること
良心を積み重ねていった証が名誉であり、名誉を何より大事にしたのはその良心を保障するものであるから
当時の女と男の関係は、武士と主君の関係であり、決して奴隷関係ではない
当時は個人主義ではなく、家柄や家族は分かち難い一塊とみなされていた。だからこそ名誉を優先
ただ考えを押し付けるのではなく、その人、文化特有の背景を考慮した関わり方。この本も世界各国の文化的背景を踏まえて(様々な引用)武士道を普遍化し説明したからこそ、世界的な理解や評価を確立。
武士道は、無数の行動の選択肢の中から選択する軸となるもの詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
武士道を継ぐ者となりたい!
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まとめ&感想かいてみました
☆成り立ち
武士道は儒教思想や神道、仏教から忠臣愛国の精神や死を受け入れる諦観さ、長幼の序などの各思想の影響を受けていること
☆武士道の内容
義、忠、礼、勇など※それぞれの関係は整理できてない
☆武士道が与えた影響
→武家の女子。進んで自らの人生を自分の家庭に捧げる
→一般民衆にも義や忠、礼などの内容は受け入れられることになる。憧れでさえ
☆武士道の未来
盛者必衰の理。長くは続かないかも。
しかし、その精神はどこかに残り続けるだろう(?)
☆感想
鎌倉〜江戸時代の700年間日本の封建社会と共にあった武士道精神は、母たる封建社会制度を失いもはやその面影を探すのが難しい世の中になっていると思われる。
本書で、明治時代開国してまもなく武士道精神はもはや廃れている旨の記述を見かけた気がするが、大東亜戦争(太平洋戦争)で、勝てる見込みのないアメリカに対して開戦し、敗戦間際には特攻隊で尊い命を犠牲にしてまで国を守り明治天皇と日本の将来を守った当時の日本人の中にはこの精神はまだ残っていたのではないだろうか。
誇り高き日本の明るい未来を作るために私は働きたいです。日本、万歳! -
以前現代語訳版で読んだが、今回はなかなかに理解するのが困難であった。言葉自体が難しい為、辞書と共に読み終えた。
しかし、こちらの方が現代語訳版よりもより著者の考えを感ずる事が出来るような気がした。
日本人の道徳感はどのように醸成されてきたのか。宗教教育のない日本で道徳はどう教育されるのか。
日本には武士道精神があり日本人には遺伝的にその道徳観念があると書かれている。
内容はよく理解出来たし、少なからずその思想は自分にもあるかと思うところもある。ただし、意識してそのような考え方行動をしているかと言うと難しい。
本書の全てを肯定するわけでもないが、日本人として外国に対し劣等感を持つ必要はないし、堂々と日本人であることを誇りに思うべきと感じた。 -
・忠と名誉が大事なことと説く
・「人の深奥の思想および感情」ー特にその宗教的なるものを多弁に費やして発表するは、我が国民の間にありては、それは深遠でもなく誠実でもなきことの間違いなき徴であるとなされる。」
・「思想を隠す技術」 -
かなり難解。海外の文学や哲学をかじっていないと完全に内容を理解するのは難しいと思います。(私も良くわかりませんでした)
新渡戸稲造の洞察力の鋭さと視野の広さは一読しただけで感じられると思います。 -
うーん
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国際連盟事務次長を勤めた、新渡戸稲造が日本の精神とは何なのかということを世界に知らせるために文化や歴史的背景を読み解いた一冊。
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武士道の倫理観の素晴らしさが書かれている本。
内容はとても良かったですが、今の世の中を思うと残念で仕方ないです。
まずは自分から良い生き方をしていこうと思いました! -
新渡戸稲造1899年(明治32年)38歳。アメリカ滞在中に出版の訳書。
多くの訳書のなかでも本書(矢内原)は定評あり。
1938年 第1版
1974年 改版
2007年 改版
※参考までに
訳者:山本博文の現代語訳(ちくま新書2010年8月 第1版)も、今後、評価されていく訳書であると思われる。