インカ皇統記 1 (岩波文庫 青 489-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003348918

作品紹介・あらすじ

インカの王女を母に、スペイン人征服者を父に持つインカ・ガルシラーソ・デ・ラ・ベーガ(一五三九‐一六一六)。古老の語るかつての栄耀を子守歌に育った著者が、創設から滅亡までの帝国の歴史と、人々の風習・文化とを織り上げ、その全貌を再構成する壮大な年代記。

感想・レビュー・書評

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  • インカ王女とスペイン人征服者の間に生まれた著者による、インカの年代記第1巻です。
    大航海時代叢書エクストラ・シリーズの文庫版となります。
    キリスト教世界に向けて書かれたため、教化された文化を称賛しつつ、中立な立場でインカ文化を紹介したいという思いが伝わってきます。
    インカを卑下する言い回しが多いのですが、著者が母方の文化を完全に否定していたとしたら、このような書は残さなかったと思うのです。
    第1巻は、インカ文化について欧州の文献や親族の口承からの情報が綴られています。
    文字を持たないインカですが、メソアメリカの国家よりも安定した秩序とシステムを持っていました。
    太陽神崇拝の強力な神権政治ですが、民衆への公平な福利を持つ偉大な国家であったことがわかります。
    軍事力を極力使わない近隣部族への外交手腕は、現代にも必要な技術と思えます。
    第2巻にも期待します。

  • 発売当時、速攻で買ったのですが1巻で挫折しました。ですから、「未読リスト」にありながら☆をつけている巻です(笑)。インカ帝国が滅んだ直後に書かれた歴史書です。著者の父親はスペイン人で、母親がインカの貴族。インカの王子様的な待遇を受けながら、インカの伝承を書物にまとめた…というのがこの本です。暦や身分、歴史や葬祭のしくみなどの伝承が記されているので面白いはずなのですが、なぜか退屈に思える記述です。著者の筆力かなと思うのですが(笑)、これはもともと、彼が本国スペインでの仕官をスペイン国王に願い出るための「仕事」だったためかもしれません。「慈悲深き神とスペイン国王陛下」といった記述が間にたくさん挟まれるため、文章の勢いが止まる、というより「またかよ」と思って興ざめしてしまうのです。史料としては第一級のものなので、古代もの好きでお時間のあるかたには通読をおすすめできると思います。私も、またいずれ。

  • 未読

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