幸福論(ラッセル) (岩波文庫 青 649-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003364932

感想・レビュー・書評

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  • 自分自身の、「人生への価値観」なるものと同じような文章があり、抜粋。
    個人的にこれが全てであると思っている。

    「多くの事物に興味を持てば持つほど、より多くの幸福の機会をもつことができる。そしてそれだけ運命の慈悲にすがらなくてすむ。なぜなら、好奇心が強く多くの興味の対象を持っている人間は、一つの事物を失っても、別の事物に目を移すことができるからである。あらゆる事物に対し興味を持つには人生は短すぎるが、毎日の生活を満たすに足るほどの多くの興味を持つことは幸福なことである。」

    > The more things a man is interested in, the more opportunities of happiness he has, and the less he is at the mercy of fate, since if he loses one thing he can fall back upon another. Life is too short to be interested in everything, but it is good to be interested in as many things as are necessary to fill our days.

  • 「100分de名著」を遡って見ていたときに見つけて、なんか今の自分に必要そう…と思ったので読んでみた。
    幸せになるためには、自分の内側にじゃなくて外側に向けて興味と情熱を持つべきだというところは、これまで自分がなんとなくそうじゃなかろうか…と思っていたことを裏付けてもらったようで心強く、またその理由も色々な事例を用いて教えてくれる。
    読んでいる間の時間は、自分の無意識の価値観や考えを熱いハンマーで根気よく何度も叩き直しているような感じがあり、少し幸せになるためのコツを掴んだような気がした。
    これからは、実践だな。つかんだコツを自分の技術にしていく必要がありそう。
    にしても、全体的に挿話というか例え話がなんか変。ラッセルってたぶん、面白い人だったんだろうなと思った。

  • 【自分的まとめ】
    なんとなく幸せじゃないとか言って、自分の殻に閉じこもってる場合じゃないよ。
    窓を開けて世界を見れば、そこら中に面白いことが転がってるよ。
    幸せだから楽しく生きられるんじゃなくて、楽しく生きようとするから幸せでいられるんだよ。

  • アランの幸福論より、かためではあるけれど、合理的な説明に基づいて情熱を持って語られるのが面白かった。
    アランの幸福論とともに、定期的に読み返したい。

  • 幸せとは処方箋のように手に入れられるものでないからこそ難しく、そして長らく人間が追い求めていくものなのだと知るきっかけとなった著作。
    幸福とは外界世界に在るものだ、という最初のテーマに対しては最初否定の立場ではあったがなるほどと思わせてくれる論理性が確かにある。
    何度もよみなおし、読みを深めていくうえで見つかる部分もあるであろうから星は4つ。モヤモヤとした出来事、環境、思考等に目を向けずとも生きていける人には読まれるべきでないかもしれない。知らない方が人生にとってよい方向に傾くこともある。ただ、少しでも不幸だなとか漠然とした不安がある人は読んでみると何か人生の手がかりが見つかるかもしれない。

  • 手にした金の多寡と頭の良し悪しをリンクさせて考える人間のサガ。
    禍いの根源は、他人との競争上の成功を幸福の源泉として強調しすぎること。
    幸福を増大するために金が役立つものであることを否定はしない。

    しかし、その一点を超えてなお、金が幸福を増大せしめるとは思わない。

    成功は、手にした金は、幸福の中の一つの要素になり得る。けれども、もし他のあらゆる要素が成功を獲得するために犠牲にされたとしたら、成功の値はあまりに高価となり過ぎる。ー本書より抜粋、纏め。

  • 以下要約

    幸福な人とは、外界に広い興味を持ち、仲間と付き合い、喜びをもって愛情を人に与えられる人である。

    自己没頭や自己否定に陥る人。自分に注意を向けすぎである。私という人間が全宇宙の主人公だと思っている。そんなことはない。1人の人間は極めてちっぽけな存在であることを忘れているだけだ。

    愛情を要求する人。愛してほしいから相手に優しくするのは真の愛情ではないし、相手もそれを感じ取るだろう。結局あなたの目論みは達成されることはない。

    競争。人々は、周りの人に「私は幸福だ」と思ってもらうことに重要性を感じているようだ。しかしそれを達成するのは極めて困難だし、競争を人生の第一目的にしては長続きしないだろう。真の喜びは、静けさのなかにこそ息づいている。

    最後に。あなたが何かをくよくよ考え込んでしまうならば、それについて一段と多く考えてみるといい。あらゆる種類の恐怖に打ち勝つ正しい道は、理性的に、平静に、しかし大いに思念を集中して、その恐怖がなじみ深くなるまで考え抜くことである。そうすれば、こわさは薄らいでくるものだ。

  • 自分のような庶民が、幸福を感じながら人生を送るための指南書のような本。
    誰もが直面する身近な悩みについて、深い洞察で論じられている。
    言い回しが少し難しい部分もあるが、総じて分かりやすい。

  • ーー名著は古くならない(本書は1930年に出版)。
    とは言え、古くならない言葉は、一見、気難しく見えてしまう。

    ラッセルの言葉が心に染み込んでくるまで本書を半分以上読む必要があった。
    巻末の「復刊に際しての解説(小川仁志著)」から概要を把握して、個別に興味ある項目を深く読むという流れは入りやすい。

  • 2019/05/24 読了

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