バナナと日本人: フィリピン農園と食卓のあいだ (岩波新書 黄版 199)
- 岩波書店 (1982年8月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004201991
感想・レビュー・書評
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古い本なのでデータも現状とは違っていると思いますが本が書かれた当時のフィリピンでのバナナ栽培の劣悪さに眩暈が起きそうでした。
バナナの産地では借金漬けにされた現地の人々と肥え太る米国資本があったのだと思うとスーパーでバナナを見ると複雑な気持ちになりそうです…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
外国の大資本に地域経済の動きを支配されていると、交易量が増えれば増えるほど、末端で働く人々がどんどん貧しくなる。
植民地って、なんというか酷いとこだな。植民地だった過去はその地域の人達のせいではないけど。 -
サプライチェーンが問題視される現在、考えさせられる一冊である。
どこで誰がどのように作ったかを消費者は考えないといけない。SDGsの12番responsible consumption and production 。 -
筆者は国連によるバナナ経済の調査研究に参加したとの由。フィリピン(ミンダナオ島)の話が主で、『怒りの葡萄』のような感じ。
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会社や地名などがゴロゴロ出てきて中盤以降はかなり読みづらかった。
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フィリピンのバナナ農園の実態を通して、先進国の繁栄を支える虐げられた国という南北問題を浮き彫りにする。
1982年の作。最近はフィリピンも新興国の仲間入りをして、経済成長が続いている。かつての南の国々が成長する一方で先進国が停滞する。バナナ農園で苦労した農民たちも、これからは成長の恩恵に与れるのだろうか? -
今から30年以上前の本なので、内容は古臭いんだろうけど、ものすごく丹念に調べてるなーと感心した。
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久々に再読した。
高校か大学の授業で「これ読め」と言われて読んだ記憶がある。なんとなく高校だったような気がする。
1982年の本なので、今と比べて時代背景も違うし問題意識も違うので昔話を読むようなものではある。
本書のテーマとしては、多国籍企業による発展途上国搾取の構図である。それも、もともとの地場産業を支配するということではなく、日本にバナナを輸出するという目的のもとにフィリピン政府に働きかけ不正に土地を確保し、地元農家を詐欺同然に騙して元々の米作などからバナナ生産に切り替えさせ、借金をさせて縛り付け搾取を続け、地元には金が落ちず上前は多国籍企業がはねるという。これは、地元の低賃金労働者を雇用してうんたらかんたらというレベルではなく、産業構造さえ自分たちの利益のために変えてしまうという徹底したやり方だ。
文章の端々からマルクス主義的な香りがするので、著者としては国際資本主義による搾取構造を抉り出してうんたらという趣旨なのであろう。その問題意識は現在では少しずれてしまうのだが、まぁ論旨は概ねその通りだなと感じる展開であった。
そして、思うのは「今のフィリピンとバナナはどうなったのか」だ。何か適切な本があれば読んでみたい。 -
2008/08/29
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購入済。まだ未読(08.03.30)