- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004303244
感想・レビュー・書評
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世界&日本の水状況をみて、市民が水と付き合う方法、水を守るために行政がおこうなうべき施策などを考察。
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6/1-7は水道週間、6/5は環境の日でした。
所蔵情報:
品川図書館 519.4/N38
越中島図書館 081/I 6/324 -
■1994年出版の本ではあるが,
リスク管理の考え方は,原発問題にも適用できる。 -
約20年前に書かれた本ではあるが、水資源開発のような自然と人間の共生を図りながら社会インフラをつくっていくときの考え方、下水処理における水質基準の設定のような環境リスク管理のあり方については、いまだに有益な視点を提供してくれているように感じた。
以下、印象に残った点。
第一章
水資源開発の必要性として、水不足が指摘されているが、生活用水、農業用水、工業用水の間での水利権の移転が進まないために、現実的には大規模なダム開発までは必要ないにもかかわらず計画が進められているところもある。
第二章~第三章
日本の生活排水の処理については、「流域下水道」という、広域からの下水を下流で集め、処理水を海に捨てれは安全という考え方が支配的になっているが、それによって水循環の中で本来は再度使うことができた淡水(河川水)が少なくなってしまっている現状もある。
水質基準の考え方については、毒性物質についてこれ以下の摂取量であれば影響はないという閾値を設定するのか、それとも摂取量に対するリスク(発がん率など)を設定し、その許容リスクをリスクとベネフィットを比較しながら検討するという考え方がある。日本では、「安全」宣言をしたいがために、閾値を設定してそれ以下であれば「安全」であるという方法での基準が多い。しかし、個々の物質に対して閾値を設定することは、①複数の物質による総量でのリスクをコントロールできない、②使用される化学物質の量が多くなると規制値が定められていない物質の影響がコントロールされない、といった点で適切なリスク管理ができない。
以上を踏まえて、第四章ではリスクとベネフィットを比較考量しながらどのように水質基準などの環境リスクコントロールをしていけばよいのか、筆者の考え方が述べられている。また、第五章で生態系への影響などにも視野を広げた総合的な水環境施策の必要性が指摘されている。 -
@yonda4
日本における重要な資源である水。
日本人は水道の蛇口を捻るだけで飲料水がでてくる環境にあるので、大切さを実感しにくい。
しかし、これから先大規模な「水戦争」が起きるのでは?と言われている昨今、水が日本の武器になることは間違いない!
ってことで、タイトルに惹かれて読むことにした。
目次
序章 水循環とは何か
第一章 世界と日本の水事情
第二章 排水による水質汚濁
第三章 新しい水道水質基準の見方
第四章 「リスク管理」の考え方
第五章 水環境-人間だけ安全ならいいのか
1994年に上梓された本書。
僕が考えていた、日本の水資源をどうやって世界に展開していくか、ようなものはなかったが、八ツ場ダムの記述があった。
最近、結局建設されることになる八ツ場ダム。本書の第一章でダム建設はもういらないと書かれている。
水資源用途は「生活用水」「農業用水」「工業用水」と大きく三つに分かれる。梅雨期に必要分の降らない年、ダムの枯渇している状況をテレビで見る。そういう状況下で「節水」するのは、なんと生活用水だけらしい。
農業用水と工業用水は節水しない。
農業用水と工業用水を節水することで、梅雨期に雨が降らなかったとしても、首都圏に関しては水は余るくらい。
国民の誰もが八ツ場ダムの必要性に疑問符を抱いている中、その建設を推し進めるのは、建設によって利益を得る人間たちの欲。
度重なる民主の公約違反にはもうあきれてしまう。
話がだいぶ逸脱してしまった。本書で得た知識はもう一つ。
水道水は飲めるけど、塩素処理するに当たり、直ちに影響はない発がん性物質が入ってしまうってこと。
水問題はまだまだ追っていこう。 -
[ 内容 ]
生きるために必須の水。
55億の人がこの地球上で生き、なおかつ環境を保全するためには、水とどうつきあえばよいのか。
つねに現実を動かす政策論を展開してきた水問題の第一人者が、長年の成果を初めて集大成し、さらに新しい提言をおこなう。
水の安全とは何か。
途上国の開発をどう保証するか。
市民と行政におくる熱いメッセージ。
[ 目次 ]
序章 水循環とは何か
第1章 世界と日本の水事情
第2章 排水による水質汚濁
第3章 新しい水道水質基準の見方
第4章 「リスク管理」の考え方
第5章 水環境―人間だけ安全ならいいのか
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
前半は楽しく読める。
LocalとGlobalの話をバランスよく話していく。
が、後半からLocalの、しかもちょっと難解な話に。
難解なのはやぶさかではないし、バランスをとろうと努めているのは理解できるが、ちょっと偏っている。 -
かなり古い本やけど、水事業に興味あるから読んでみた。
古いけど、実際に今の状況を見てみると、昔と大して変ってないんやなー、と思う。
中国に対する認識、環境技術の向上、法律の変化については、時代の違いやから仕方ない部分はあるけど、全体的に理想論に偏ってたように感じた。理想を語るのは大事やと思うけど、そううまくはいかんよね。
「地球環境問題は、地域と全体との矛盾であり、現在の世代と将来の世代との矛盾である。」
って言葉は印象に残った。それはみんなわかってるけど、そこのバランスが難しいからみんな苦労してんねんww
著者は、「何事にもリスクはあるけど、そのリスクの総和を考慮すべき」的なこと言ってる。それはホンマにその通りやけど、できるだけ多くの人を説得するためには、事実根拠だけでは進展しないのが現代社会。難しいっすね。
途中から、化学物質の話が中心になって、読むのがダルくなった。
けど、最終的にはうまいことまとまってたし、水だけでなく、地球環境問題の捉え方を提唱してて、すごい納得できた。 -
みずの節約しなければならない