- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004304920
作品紹介・あらすじ
行政・財政改革を求める世論をあざ笑うように、暴走を続ける公共事業。政治家・官僚・業者の利権がらみの計画決定過程と、ひとたび決定されるや、半永久的に続行されるシステムを解明。巧みな政策によって公共事業の抑制に効果を上げているアメリカの事例を紹介し、日本を破産から救うために、法制度の改革などを具体的に提言する。
感想・レビュー・書評
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農道空港を農水省がぶち上げたとき、霞が関の官庁街ですら、農水省はもう農道を作るところがなくなって、今度は空港かと批判の声が聞こえた。
日本は法治国家だから重要な計画はすべて法律に根拠を持っていなくてはいけないが、全国の海岸をコンクリートで埋めた海岸事業、ばら撒きの空港整備は何の根拠法もなく閣議決定だけで決められている。
天下りがあるから公共事業はなくならないだろう。 -
初版は1997年で今から約14年前。政権が民主党となったいまでも国の借金は増え続けている。しかし、公共事業だけをみると、本書が上梓されて以降、公共事業関係費予算は平成9年をピークにして、前年度を下回る形で削減され続けている。しかし、諸外国と比較すると依然高い水準にある。
本書では、利権を維持するために官僚が公共事業を手放さないという論旨だが、公共事業関係費が下がりだした平成9年以降も、政府のシステムが変わったということはなかった。にもかかわらず、公共事業関係費が削減され続けているのは、社会保障関係費の圧迫により削減せざるを得なかったということだろうか。
あたかも官僚たちがみずからの利権を維持するために公共事業を作っているように書かれているが、その実はこれまでそうしてきたから、何となくこれからもそうするといった、空気のようなものに思う。
著者は全国総合開発計画(国土形成計画)の策定について、国会の意思決定プロセスを加えること、サンセット方式(一定期間後に事業を自動的に廃止する方式)を加えることを挙げている。現時点では、自動的にとはいかないまでも、事業の再評価制度が設けられた。
国会の意思決定を加えるということは、国土形成に法律の根拠を与えるということでもある。公共事業問題に関わることで、国土開発に対する国の姿勢が問われる内容となる。 -
出版社/著者からの内容紹介
行政・財政改革を求める世論をあざ笑うように,暴走を続ける巨大公共事業.利権がらみの計画決定過程と,時代の推移にかかわらずやみくもに続行されるシステムにメスを入れ,巧みな政策によって公共事業の抑制に効果をあげているアメリカの事例を紹介.日本を破滅から救うために,法制度の改革などを具体的に提言する.
内容(「BOOK」データベースより)
行政・財政改革を求める世論をあざ笑うように、暴走を続ける公共事業。政治家・官僚・業者の利権がらみの計画決定過程と、ひとたび決定されるや、半永久的に続行されるシステムを解明。巧みな政策によって公共事業の抑制に効果を上げているアメリカの事例を紹介し、日本を破産から救うために、法制度の改革などを具体的に提言する。
目次
序章 公共事業に「ノー」の声
第1章 破綻する公共事業
第2章 公共事業が止まらないわけ
第3章 米国公共事業の転換
第4章 公共事業を外堀から攻める
第5章 公共事業の再生
第6章 二十一世紀のデザイン -
我が国で行われる無駄な公共事業がなぜ行われるかについて書いた本。
本書においては基本的には、制度の問題、官僚の体質の問題、政治家の問題という点を主眼に置いて述べられている。基本的には無駄な公共事業を行うことが問題なのであり、事業自体は否定しないスタンスか。
当時は小泉改革の前であったため、不況対策としても財政出動が行われていた時期であったので、仕方ない側面もあったのだろうが、この時点でいるものといらないもの(事業自体と、建設会社も含む)の選別をきちんと行えなかった、淘汰できなかったことが、現在にも問題としてつながっているのだろうなと感じた。 -
公共事業は悪か?
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【処分】
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行政・財政再建が進む中で、以前ほどではないにしろ、公共事業は盛んにおこなわれている。そのような状況で、半永久的に続けられる公共事業の今後を考えた一冊。