プラトンの哲学 (岩波新書)

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著者 : 藤沢令夫
  • 岩波書店 (1998年1月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004305378

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プラトンの哲学 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

  • 岩波文庫の古典ギリシャもので好きな翻訳者である藤沢令夫先生によるプラトン入門。
    著作を年代順に解説しており、それによってプラトンが探求したものが深化しながら、ときに自己批判しながらも展開されているさまが概観できた。そこから文庫のタイトルだけではわからない、著作群からなる関係性が見えてよかった。
    個人的には、イデア論を自己批判した(また後世の誤解の元となった)『パルメニデス』にたいして、熱っぽくソクラテス=プラトンを擁護しているところが印象に残った。冒頭もそうだが、後世誤解に晒され続けているプラトンを救い出そうとする意思がーーもちろん藤沢氏は一級の研究者であり、テキストから救い出すのは勿論だけれどーー僕にとっては、論理いじょうにとても胸を打たれた。
    冒頭、「金や評判・名誉のことばかりに汲々としていて、恥ずかしくないのか。知と真実のことには、そして魂をできるだけすぐれたものにすることには無関心で、心を向けようとしないのか?」と『ソクラテスの弁明』から引用している。素朴だと誹りを受けるかもしれないけれど、現代でもほんとうに大事なことだ。
    終章において、プラトン哲学から現代批判をしていて(物質主義が蔓延する現代に対し、プラトン的な精神の大切さを説く)、それはあまりに単純すぎないかと思われるかもしれない。しかし「このような事態の進行に対してほんとうに対抗する力は、たとえ現実の勢力とはなりえないにしても、原理的には、『精神』原理しかないのである」(p.223)とかえす切実さは、僕は真摯に受け止めたいのだ。

  •  第一人者によるプラトン哲学の入門書。
     とは言っても、ある程度は哲学の基礎をかじっていることが前提にはなるだろうと思う。のっけから現代哲学の主流を否定して、真のプラトン理解から哲学を始めようとする著者の心意気には圧倒されるが、いくつかの指摘にあるようにややプラトンに寄りすぎている感はある。専門化の姿勢としては当然とも言えるか。
     とはいえ、「プラトンの毒」という表現からも、プラトン最強説を唱えているわけでもないことは確か。プラトンのみならずギリシャ哲学の入門としても一級品だと感じた。

  • さすがプラトン全集の訳者の一人だけあって、切れ味抜群の読みを見せてくれる。イデア論を相当がんばって擁護していて、プラトンに対する認識を新たにさせる。―いやはや、全く新たにさせるのだ。
    これを通せば、好奇の目でプラトンが読めるようになるだろう(?)
    つまらなかったあの著作も、著者の巧みな解釈によって、どこが興味深いポイントなのか判るようになる。

    ただし終章では、プラトン哲学を安直に適用したようにしか見えない現代批判が展開されていて、ちょっと残念だった。
    社会的な出来事を〈物〉と〈善〉の二元論だけで評するのは流石に雑すぎるのではないかと思う。

  • 配置場所:摂枚新書
    請求記号:131.3||F
    資料ID:59703014

  • 「借」(大学の図書館)。

    プラトンの哲学の中心的な部分の発展を前期から後期にかけて、著作を援用しながら解説している本。
    プラトンの専門家による解説だから、かなり詳しい。
    ただ個人的にはちょっと読みにくかった。

  • (2003.03.28読了)(2003.03.06購入)
    内容紹介 amazon
    西洋哲学の祖と仰がれるプラトン.だが,その哲学の内容はしばしば通俗的理解によって歪められてきた.ソクラテスの影響,イデア論を中核とする思想の展開と最終的達成,さらに現代に生きるわれわれにとって彼の哲学がもつ意義.プラトン哲学の核心を,研究の第一人者が長年の蓄積の上に立って平易に語った最上の案内書.

    ☆関連図書(既読)
    「ソクラテスの弁明・クリトン」プラトン著・久保勉訳、岩波文庫、1927.07.03
    「饗宴」プラトン著・久保勉訳、岩波文庫、1952.10.05
    「ソクラテス」田中美知太郎著、岩波新書、1957.01.17

  • 西洋哲学の祖と仰がれるプラトン。だが、その哲学の内容はしばしば通俗的理解によって歪められてきた。ソクラテスの影響、イデア論を中核とする思想の展開と最終的達成、さらに現代に生きるわれわれにとって彼の哲学がもつ意義。プラトン哲学の核心を、研究の第一人者が長年の蓄積の上に立って平易に語った最上の案内書。

  • 古本屋にて350円で購入。プラトン研究の第一人者であった著者による最上のプラトン哲学案内書にして、ことあるごとに批判されてきたプラトン哲学を擁護するための一貫した弁明書でもある。最早正確な意図をもって使われることのほうが稀になってしまった"イデア"論を正しく伝え直すには、浩瀚な専門書よりもこうした新書のほうが向いているはず。

  • 科学主義の現代に鋭く渇を入れる一冊。と同時に、プラトン哲学の誤読から派生していった、近現代哲学への痛烈な批判でもある。ニーチェやハイデガーを通してしかプラトンを知らない人は、今すぐこの本を読んで反省して下さい。そして、哲学を学びたい人だけではなくて、もっとたくさんの人に読んでもらいたい。魂(プシューケー)が強くなります。

  •  海神グラウコスのように。常識的なものの見方を覆すプラトンは、つねに常識の立場から誤解や反発を受けてきた。これは宿命である。アリストテレスの解釈からしてすでにこの宿命を告げるものであった。二十世紀に入ってなお天上の空想者だの物質の信奉者だのと糾弾される。積年にわたって堆積した貝殻と海草と岩石を払い落とし、プラトン本来の姿を再生させる。

  • [ 内容 ]
    透徹した原点の読みに深く根ざした最上の案内書。

    [ 目次 ]
    序章 「海神グラウコスのように」―本来の姿の再生を
    「眩暈」―生の選び
    「魂をもつ生きた言葉」―プラトン哲学の基層としてのソクラテス
    「美しき邁進」―イデア論とプシューケー論
    「汝自身を引き戻せ」―反省と基礎固め
    「美しく善き宇宙」―コスモロジーに成果の集成を見る:「果てしなき闘い」―現代の状況の中で

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 西洋哲学の祖と仰がれるプラトン.だが,その哲学の内容はしばしば通俗的理解によって歪められてきた.ソクラテスの影響,イデア論を中核とする思想の展開と最終的達成,さらに現代に生きるわれわれにとって彼の哲学がもつ意義.プラトン哲学の核心を,研究の第一人者が長年の蓄積の上に立って平易に語った最上の案内書.

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プラトンの哲学 (岩波新書)の作品紹介

透徹した原点の読みに深く根ざした最上の案内書。

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