ダムと日本 (岩波新書 新赤版 716)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004307167

作品紹介・あらすじ

「治水」「利水」の名の下に、日本列島中の川を縊って建設されてきた二七〇〇のダム。今やまったく不要になったにもかかわらず、建設計画はまだ五〇〇以上もある。政・官・財の利権がらみで一向に見直されない公共事業に、いま市民たちがNO!の声をあげ始めた。長良川、吉野川など日本各地の河川や、欧米の潮流を伝える。

感想・レビュー・書評

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  • ダムを造りはじめた頃にはわからなかったことが科学によってわかりはじめ、治水・利水の面からもダムが唯一の選択肢ではないことや海外の例、国内のNPOの取り組みを通じて公共事業のあり方を問うている。

  • 長良川河口堰をはじめとするダムの政治面が主な内容。河口堰は造られてしまったが、河川法が改正されて環境重視と住民対話が盛り込まれ、公共事業の見直しの動きという成果が得られたという評価は間違っていないだろう。その結果、公共事業を柱にした政治は後退したが、その後の民主党政権の失敗によって市民主体の政治も実現できなかった。

    ハンストをしても政治家を動かさなければ政治は変わらない。これは、安保法制の反対デモが何も変えられなかったことと重なる実態。

    近代の流路を直線化して洪水を一刻も早く海に流そうとする治水事業によって、流れが集中的に下流へ達して、以前よりも洪水が大きくなったことが、欧米や日本の学者も指摘している。

  • 著者は長良川の河口堰計画反対を中心に、ダム建設反対運動を続けてきた人。

    著者の運動が主な内容となっています。
    ダムの問題点や世界の現状(もう10年前になってしまっているが。)について触れつつ、著者たちの建設省とのたたかいや政治的な過程が描かれています。理想主義でない、現実の政治運動としてのダム反対運動を学ぶことができました。
    ただあくまで新書であって、この一冊だとダムの問題自体については細かいことがわからないので星は3つにしておきます。


    2000年に書かれた本なので政権交代後の現状も知りたいと思いました。

  • 著者は長良川の河口堰計画反対を中心に、ダム建設反対運動を続けてきた人。

    著者の運動が主な内容となっています。
    ダムの問題点や世界の現状(もう10年前になってしまっているが。)について触れつつ、著者たちの建設省とのたたかいや政治的な過程が描かれています。理想主義でない、現実の政治運動としてのダム反対運動を学ぶことができました。
    ただあくまで新書であって、この一冊だとダムの問題自体については細かいことがわからないので星は3つにしておきます。


    2000年に書かれた本なので政権交代後の現状も知りたいと思いました。

  • [ 内容 ]
    「治水」「利水」の名の下に、日本列島中の川を縊って建設されてきた二七〇〇のダム。
    今やまったく不要になったにもかかわらず、建設計画はまだ五〇〇以上もある。
    政・官・財の利権がらみで一向に見直されない公共事業に、いま市民たちがNO!の声をあげ始めた。
    長良川、吉野川など日本各地の河川や、欧米の潮流を伝える。

    [ 目次 ]
    第1章 日本の風土と河川(日本は「川の国」 川をめぐる人々の暮らし ほか)
    第2章 ダムの功罪―これまでのダムを検証する(水力発電が電気を造った “大型ダム時代”の到来 ほか)
    第3章 新しいダム反対運動の幕開け(最後の自然河川を守れ 長良川河口堰建設計画の経緯と歴史 ほか)
    第4章 世界の河川開発の潮流(高橋裕さんの言葉 アメリカで学んだこと ほか)
    第5章 「河川行政の転換」から公共事業見直しまで(「河川法改訂」と「公共事業コントロール法案」提出 「公共事業チェックを求めるNGOの会」の成立 ほか)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 流域の自然保護の参考文献

  • 長良川河口堰をモデルケースにしたダム不要論。治水、利水と云う大儀名分の他に、ダムには別の存在理由があるのだ。それがこの国の河川を寸断し、死なせてきた。公共事業に於いては、投資される金額に比例して、取り返しの付かなさも増大する。経済的、社会的問題はダムに依らず、人智で解決スべきだ。「洪水」は起こるもの、それを「水害」にしないために必要なのは智慧であってダムではない。 231頁

  • 517.7/A43/3677
    171001-3677-1
    lab

  • よその人がちょっかいだして問題をややこしくするのはちょっとね

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