- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004310075
感想・レビュー・書評
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初学者向けにしては難解なテクスト。同時に重厚さも備わっている。
アリストテレス以降は非常に読みやすく感じたが,アリストテレスの提示した論理学的知見が現代に浸透していること,また近代哲学が極めてアリストテレスの影響を濃く受けていることが理由かもしれない。
トマスの解説部などは,原文を読まないと理解が追いつかないような側面もある。
とは言え,原典のテクストにも当たりながら,西洋哲学の軌跡が端的にまとめられており,なるほど名著と言えるだろう。 -
うむ、入門書にしては難しい!笑
ただ根気強く読んでいくと輪郭くらいは見えてくる。「ヨーロッパ哲学の伝統はプラトン哲学の脚注だ」という言葉の意味もよく分かる。プラトンだけではなく、アリストテレスも全編にわたって顔を出してくる。
個人的な本書の立ち位置としては哲学史の輪郭を把握して個々の哲学者にアプローチしようと思う。その後はまた本書に帰るかも知れない。
哲学はマクロ→ミクロ→マクロの勉強でいこうかな。
余談だが、アウグスティヌスの『告白』は高校生の頃から存在は知っているが初めて読もうと思わせてくれた。 -
大学で哲学かじったつもりだったけど近代以降が中心だったから、ここに出てくるなんちゃらティウスみたいなひとたちがことごとく初耳だった。
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下巻で記一緒に記載
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院試の対策をするにあたって、全体の流れをつかむのに使用した。専門書というわけでもないので、哲学史をおおまかに知りたいという人にとっては十分だろうと思う。詳しめに知りたいという人にとってはさすがに足りない。哲学者ごとの専門書か、古代なら古代、中世なら中世で詳しく論じられているものを読むべきだろう。内容は薄いわりに非常によくまとまっているのだが、レトリックに酔った部分が散見されるのでマイナス1点。
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単なる歴史的な事実の羅列ではなく現在からの視点で述べられているので面白い
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後篇を先に読んでいたので、本の構成や書きっぷりは知っていたが、中身は全然違う(当たり前だが)。中世以降の哲学史といえば、難解以外の何物でもないが、ソクラテス以前の賢人の思索を文章で読むと、ちょっと感動する。最初は「水」や「火」の認識から始まり、やがて「神」を感じるまでの知性の足跡である。今では当たり前過ぎて気付かないことに、人類として初めて世界観という知を見つけ出して、意味づける。最初に思考したひとは凄い。
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了。
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哲学の黎明たるミレトス学派から、後期スコラ哲学に至るまでの思考の歴史をまとめた哲学史。「哲学とは哲学史であるとはいえないかもしれませんけれども、哲学史は確実に哲学そのものです」という著者の言葉が実感できる簡潔にして重厚な内容。