ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004311126

感想・レビュー・書評

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  • 「生存権と引き換えに戦争へ行くという矛盾がある。成績の悪い生徒を軍へ勧誘すると言ったことが日常的に起こる」

  • ワシントンDCに向かう機内。ANA。

    丸激トーク・オン・デマンドに出演していたのを知り、興味を持って購入。
    アメリカ出張に合わせて、読書とする。

    アメリカの「底が抜けた」のは知っていたつもりだったけれど、まさかここまでとは・・・

    正直言って、「問題は山積だけど、何だかんだ言って日本でよかった」というのが正直な感想。
    欧州にあこがれて、日本を卑下しているだけでは不十分だ。
    アメリカになってしまう・・・

    また、このような「実はアメリカって」という言説が、
    「主人の悪人をあばく使用人」の屈折した心理に似てなくもないと思う。

    日本を相対化した上で、日本の強みを活かすということが必要だ。

    そう言えば、エコノミークラスであるが、ANAの機内食のレベルは抜群に高いと思った。
    食器も使い捨てではないようで(本当?)、好感が持てる。

    こうした「日本のよさ」が失われないうちに、
    まずい部分を直し、次の手を考えなければならない。

  • 面白い

  • 今読むにはやや古い。
    最新を知りたくなる。

  • 民営化の弊害
    社会保障を削減して民間に任せると貧しい者はますます貧困に。貧困から抜け出す手段として戦争に結果的に加担することになる。

  • 2011.11.02開始〜2011.11.09読了
    <u><b>所感</b></u>

    格差社会の象徴とも言われている「自由の国」アメリカの国内事情がいかなるものか痛感させられる一冊。

    個人的に衝撃的だったのは、完全に崩壊している医療制度で、向こうは医療費が高いとは聞いていたがまさかここまでとは思わなかった。

    アメリカではなにも考えずに資本主義思想を押し進める余り、国民を守るべき立場にある国がやらなければならない事ですら民営化し市場原理に預けた結果、金を持っている人間しかまともに生きられない社会が出来上がった。アメリカ人はバカだからと日本人は揶揄するが、彼らはバカなんではなく国に選択肢を奪われ、そうせざるをえない生き方をしているだけだだ。

    今のアメリカの真実を知りたければ、読んで置いて損はない。そして、TPPが導入されれば、間違いなく日本にもこれと同じ事が起こる。

    来るべき日のために読んでおく資料としても価値がある。

    <u><b>文章表現/構成等について</b></u>

    しかし問題は文章表現である。ルポ、というだけに現地の人へのインタビューがつらつらと書かれており、合間に筆者の意見が織り交ぜられていくという、まさにリポート形式。

    これが個人的に好きになれなかった。途中、くど過ぎて読み飛ばした所もある。だから星は三つ。

    もしかするとこの本は、知識を入れようとか肩ひじを張って読むのではなく、雑誌感覚で読む方がいいのかもしれない。

    量もそれほど多くないので、早い人なら通勤時間2日分程で読み切れてしまうかも。

    <u><b>概要/ピックアップ</b></u>

    後日。

  • 中央公論新社 新書大賞2009 大賞

  • 貧困の連鎖が起きる資本主義大国アメリカの実情を書いてる。
    低所得者は軍に行かざるを得ず、ポジティブトークにつられて軍に入ったものの、話と違ってすぐに前線に派遣されたり。PTSDや障害者になって帰ってくる人も多い。
    アメリカの軍事力は低所得者が兵士にならざるを得ない経済事情があるからこそ成り立っているのかなと思ったら。

    良い本だが、リーマンショック前の本なので少し話が古い。

  • 進化論
    昨日は堤未果さんの話題の本、


     【今日のお薦め本 貧困大国アメリカ2】

      http://amazon.co.jp/o/ASIN/4004312256/2ndstagejp-22/ref=nosim


     を読了。


     
    ■去年、アメリカとキューバを訪問し、そこでのインタビューなどを
     元にして論文を執筆しましたが、まさにその論文は


     ------------------------------------------------------------

     本当に豊かな社会とは
      
     「医療制度における理念の相違」から見た自由主義国家アメリカと
     社会主義国家キューバの目指す「理想社会」の光と影

     ------------------------------------------------------------


     というタイトルで、
     この本のテーマと直結している内容でした。
     

     もちろん、執筆にあたっては前作の
     

     【今日のお薦め本 ルポ貧困大国】

      http://amazon.co.jp/o/ASIN/4004311128/2ndstagejp-22/ref=nosim


     も視察旅行前に読み、参考とさせて頂きました。



    ■「貧困大国アメリカ2」の帯には

     「日本の近未来を暗示する衝撃の第二弾!」

     と書かれていますが、ますます自助努力で自分や周りの人達の面倒を
     みなければならない時代になってきているのかもしれませんね。

     いいとか悪いとかではなく現実問題の話として。



    ■ここに描かれている話はアメリカでの話ですが、

     これまで普通に生きてきた中産階級の人たちが
     何の罪もないのにある日、病気や失業をきっかけとして
     突然転落する恐怖が描かれています。

     今のアメリカは昔のアメリカではない、
     セーフティネットは当てにならない、

     といった話ですが、日本の未来もこんな感じかも、、、



    ■日米の政策云々についてのご意見は各人、いろいろあると
     おもいますが私は専門外。

     なのでここでは語りません(というか語れません)し、
     それについての意見や感想も求めていません。


     が、まずは「そういう構造の中に生きている私」ということは
     認識する必要があるのかなと。

     無自覚、無防備で突然、セーフティネットから放り出される
     危険性を改めて自覚させられました。



    ■ちなみにあわせて読んだ


     【今日のお薦め本 アメリカから<自由>が消える】

      http://amazon.co.jp/o/ASIN/4594061648/2ndstagejp-22/ref=nosim
     
     
     (実際の状況はわかりませんが、もしここに書かれていることが
      普遍的に行われているのであれば)

     こちらも今のアメリカはここまで来ているのか、
     と驚愕する内容でした。


     ますます進む、テクノロジーを活用した監視社会。
     昔読んで恐怖したSFの世界がSFの世界から
     現実世界に抜け出してきているのかも。

     「自由」と「テロの恐怖」との狭間で、何が起きているのか。

     ご興味ある方はぜひご一読下さい。

  • アメリカの二極化現象が描かれている
    これが公平に見た真実なのか、例外的現象を誇張したものなのかはわからない。
    現代日本についての論評でも同じようなことがあるよね、格差社会って本当なの?

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著者プロフィール

堤 未果(つつみ・みか)/国際ジャーナリスト。ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒業。ニューヨーク市立大学院国際関係論学科修士号。国連、米国野村證券を経て現職。米国の政治、経済、医療、福祉、教育、エネルギー、農政など、徹底した現場取材と公文書分析による調査報道を続ける。

「2021年 『格差の自動化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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