四コマ漫画: 北斎から「萌え」まで (岩波新書 新赤版 1203)
- 岩波書店 (2009年8月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004312031
感想・レビュー・書評
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江戸の戯画浮世絵から明治の西洋四コマ、戦前・戦後の新聞四コマ、高度成長期のサラリーマン四コマ、雑誌四コマ、そして平成の萌え四コマと、副題通り四コマ漫画の歴史について概観できる一冊。
個人的関心とも重なって、戦後の四コマの変遷は興味深かった。「シュセキゼンケン」として息子が泣かせたよその子の家に謝りにいく「轟先生」(昭和26年9月1日、p.109)。「サンワリ君」のように「毒も個性もない」キャラクターが次々と登場した高度成長期の新聞漫画と、いじわるでふてぶてしい主人公が自由奔放に動き回る、「かりあげクン」「フリテンくん」(植田まさし)ら雑誌漫画のコントラスト。個人的には社会の木鐸であるところの新聞の堅物さや「親目線」に、妙な心地よさを覚える。
もっとも平成十年代頃から、「ののちゃん」をはじめ新聞漫画にもグータラ教師(藤原先生)が出現するなど、自由度が増している。吉田戦車「伝染るんです。」、「らき☆すた」など、媒体もジャンルも多様化している。ビゴーの専門家である筆者をして、「新聞四コマや雑誌四コマは、そうした庶民の生活を詳細に記録してきた貴重な歴史資料でもあるのだ」(p.185)と言わしめるゆえんであろう。
※エピソード:四コマで漫画家としてのキャリアをスタートしている手塚治虫(蟲)の項では、 デビュー作「マアチャンの日記帳」の連載予告の著者名に「はるむし」とルビ(おそらく誤記。初回では「ヲサムシ」となっている)をふられたという(p.100~)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もっと文化的背景に触れてもいいんじゃないかな、と思った。
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四コマ漫画―北斎から「萌え」まで 年代ごとに代表的な四コマ漫画やその作者、その手法について書かれた本。萌え四コマの例にあがっているのは『らき☆すた』。手塚治虫のデビュー作って四コマ漫画だったのか。 http://is.gd/2bvpK