- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004312864
感想・レビュー・書評
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津波のことを一般の人が知るにはこの本が一番のおすすめだと思う。
例えば、津波が、台風などによる高波とどう違っていて、具体的にどのような危険性を持っているのか、理論に基づいたきちんとした説明でありながらとてもわかりやすく、読んだ後にはその危険性が実感できる。
防災教育の面からみた、「稲むらの火」の話の問題点などにも触れている。
一刻も早い避難の重要性や、ものを取りに帰るなどの行為の危険性についても繰り返し言及しており、刊行がせめて1年早かったら、東日本大震災での津波被害軽減に役立ったかもしれない。悲しいかな、災害が実際に生じたがために、今後この本の真の価値が再認識されるのではないかと思う。
様々な立場の人に講演をする経験を積んだ、ベテランの工学研究者によって書かれたという感じがする本である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
恐ろしいほど、現在の状況を予言している。
減災のための教育が必要な事を切実に感じる。 -
この数百年に必ずやってくるという地震や津波に対して、本当に人間は浅はかでちっぽけですね。その分、有識者と行政が先行的に施策を練っていただくことが先決だと思います。今のところ、行政もまた愚かで先見性がないですから。
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カテゴリ:図書館企画展示
2016年度第9回図書館企画展示
「災害を識る」
展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。
開催期間:2017年3月1日(水) ~ 2017年4月15日(金)
開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース -
今から読んでも遅くない!
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まえがき
序章 安全な津波はない
第1章 津波は恐ろしい
第2章 津波災害はくり返す
第3章 津波情報に注意せよ
第4章 津波が来たらどうする?
終章 津波災害に備える
あとがき
河田惠昭 関西大学社会安全学部長、教授。阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター長(兼務) -
東日本大震災の直前に出版された本である。この本に書かれているように、国や自治体が防災対策をしても、人々がそれを重く受け止めず避難しないということを憂いて書かれた本であるのだが、まさにそう思う。3.11であれだけの大惨事を見せられているのに、自分の住んでいる場所は大丈夫だろうという根拠の無い自信や、洪水と津波の特性の違いを知らない人が大多数なのではないかと思う。学校教育や国が国民に避難訓練を義務付けるなどして、無理矢理にでも津波被害について教えこむなどの対策をとらない限り、悲劇は繰り返されそうである。