- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004313441
作品紹介・あらすじ
失業率の悪化、労働生産性の停滞、消費の低迷-。日本経済の不調の原因は、本当に「デフレ」なのか。理論経済学の立場から「常識」を疑い、長期不況の本質を探る。なぜ賃金を上がらないのか。そもそも企業は誰のものなのか。大震災後のいまこそ、経済成長至上主義からの脱却、社会資本の充実を訴える。
感想・レビュー・書評
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本書を読んで「百家争鳴」という言葉が頭に浮かんだ。本書は「平成不況の本質」をテーマとした経済書である。すでに「失われた20年」になろうとする日本経済の現状をいくつか考察しているが、はたしてこれは妥当な見解なのだろうかと言う疑問を持った。
著者は、いわゆる「反リフレ派」なのだろう。「デフレ」についての考察や「賃金」「企業」「構造改革」についての主張など、それなりに興味深いものがあるが、最近の多くの経済関係書は、それぞれがまったく違う主張を行っている。素人としては、いったいどれが正しいのか、という疑問を持つのは当然だろうと思う。
すくなくとも「経済学」という学問のジャンルである以上、現実に通用する主張をしてもらいたいと思った。本書は、その意味では読みにくく、わかりにくい。あまり高く評価できないと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/705947 -
東2法経図・6F開架:B1/4-3/1344/K
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【要約】
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【ノート】
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本格的な経済の本である。理論をきちんと示している。
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理論経済学なので専門外ですが、表題でほほうと感心して手に取りました。
確かにほほう!と感心する部分もありつつ、最後の教育論や復興論で・・・といった感じ。少ない頭で、ケインズ推しの反ネオリベ論者でかつ左派寄りと受け取りましたが、数式使った説明が理解しきれないため偏見混じりの憶測。経済学を学んだことがないせいだと思いますが、現実に立脚しているようでいてどこかこじつけっぽさも凄く、本当にそうなのか?という疑問が拭えないままの読了でした。とりあえず分かったとこと変だなと思ったとこだけまとめておこ。
本当にそうなんだろうなぁと思えたのは、
・銀行に企業を見る目がない
・需要供給曲線のモデルは原始的過ぎて現実を反映していない
・インフレで儲かるのは金持ちと銀行、政府
逆に、そうとも限らんのでは?と思ったのは、
・対外直接投資で国内の雇用と資本が出る一方で国が貧しくなった
→日本国内の雇用はともかく、国内での資本蓄積はコスト安の外国製品でやりやすくなったとか欲望を満たしやすくなったとかいう意味で「便利」ももたらしているから、メイドインジャパンにこだわんなきゃある意味幸せな国なんじゃないかなぁ日本は。
・企業が持つ技術は学術論文とは違って、企業内で守られ海外への流出を防ぐべきだ。
→私はそもそも「人が作れるものは、たとえ作り方を教えてもらえなくても、だいたいなんとかすりゃ作れる」のスタンスだからなぁ。容易に真似できない高度な技術を持った職人の存在は認めるけれど、技術継承や発展は企業秘密よりもハングリー精神溢れる人材の呼び込みによって守られるべきものだと思うよ。自信がある職人なら「これをマスターするのに10年か20年はかかる」とか平気で言うしね。そういう長い修練を要する技術がそう簡単に流出するとは思えない。
・偏差値教育は没個性化であり人間の規格化だ。
→経済絡みの議論ではさんざん人を叩いておいて、こういうことを無批判に言っちゃうあたりこの人は大学教授のくせに手ぬるいなぁとつくづく失望するんですが。
今時偏差値だけで大学選ぶ高校生や親ばかりじゃないですよ。東大は人気落ちてるって言いますよ。落ちこぼれから這い上がった奴だの滑り止めで入っちゃっただの色々いるから、全く規格化なんてしないまま雑多に個性的にだいたいの大学生は暮らしてますよ。 -
評価は☆5に限りなく近い☆4。
惜しむらくは、筆者の思想や安易な教育批判や天下り批判に共感できなかった点だ。
「政治的右派の経済学」とでも言おうか。
経済学を価値の問題に深く突っ込んで使っている印象。経済学が数学と同じく「公理を変更することで全く異なる結論に至るが、内部的には無矛盾な体系を構成する」類型の学問であることを意識させられる。
また、説明が極めて分かりやすい点も高評価の理由の1つだ。
数式の美しい論理性を活用しながら、同時に可能な限り言葉で説明しようとする努力が見られた。
岩波新書にしては、スムーズに読み進めることができた。お薦めの一冊。 -
新自由主義改革を「公の解体」と捉え、株主資本主義などが結局社会の富を減少させるものであることを理論的に示す。前提が全て首肯できるものではないが、それは新自由主義経済と同じことなのだろう。疑問はあるにせよ、考える端緒にはなる本。
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「マクロ経済学」授業用