哲学の使い方 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315001

感想・レビュー・書評

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  • 勉強になりました。

  • 日本人の書く哲学入門書というのは、とかく、西洋の哲学のおおざっぱな解説に終わりがち。
    本書は哲学は学問のみに終わらず、人間や世界のあらゆる問いを立てるという活動すべてが哲学になる、その対象領域は科学,倫理、芸術、政治、経済さまざまに及ぶ。哲学が近寄りがたいのは、ときに一般人をけむに巻く難解な言術のせいであるが、社会生活を営むうえで欠かせないものである。

    臨床哲学者というだけであって、社会のさまざまな身近な事象やときには村上龍のようなエンタメ文学からも素材をとり、哲学への入口へと誘う。

    すべてをまったく理解するのは難しいが、この著者には読者を難解な用語で遠ざけるよな俯瞰的な思考が感じられず、読みあたりがよい。こんな哲学書に出会いたかった。

  • 臨床哲学と名付けられた哲学を知る必要はある。
    哲学とはモノローグではなく、ダイアローグなんですね。
    哲学をわかりやすく解説してくれる鷲田清一。それほどに哲学を愛されている雰囲気が伝わってきます。

  • 048

  • 哲学は他人の役にたつために存在しているものではない。
    人が哲学に焦がれるのは、今の自分の道具立てでは自分が今直面している問題がうまく解けないとき。
    博士号とは本来、この分野に限ってはなんでも知り尽くしているということに対してではなく、いかなる未知の問題に対してもそれにふさわしい科学の方法を用いて確かな探究ができるという一般的能力に対して賦与される称号である。

  • 受験生にはぴったりの本です。タームが少し高校生には難しいですが。鷲田エッセイの組み立て方などを書いてあるので、哲学的思考のエッセイを読む上では、役に立ちます。
    特に実社会と孤立しがちな哲学について、社会との対話を重視するスタンスはおもしろいです。一枚剥ぐと、通俗になりそうなところが、うまく締めていると思い、すごいです。
    西洋哲学の人にこういうことを言っても、無駄とは思うのですが、現代哲学をやると二項対立はだいたいメルロ・ポンティか、その辺り。これにはいつも東洋人の私には違和感を覚えます。おまえだって使っているではないかと言われそうですが、漢文の「対」の概念の方がしっくりきます。「対」については西洋哲学どころか、昨今の日本文学でさえスルーなので、仕方ないか。
    臨床哲学はおもしろかったです。これもキリスト教で行われている「分かち合い」に似ています。むしろ西洋人には、こちらのベースがあると思います。
    いや、こういうベースをとやかくいうと、新書では説明しきれないのは確かですが

  • 「見晴らしよい世界」って良いね!

    岩波書店のPR
    「「答えがすぐには出ない、答えが複数ありうる、いや答えがあるかどうかもよくわからない」──そんな息苦しさを抱えた時代に、社会生活において、人生において、私たちは哲学をどう「使う」ことができるのか? 《初期設定》からの問いかえしを試み、新たな見晴らしよい世界のありかたを求め描く、著者渾身の書き下ろし。 」

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著者プロフィール

鷲田清一(わしだ・きよかず) 1949年生まれ。哲学者。

「2020年 『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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