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- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004318521
感想・レビュー・書評
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「三島由紀夫」という人物は、自分がこの世に生を受けた時には既に没しており、またある種の神格化が進んでいた。
いかなる著作もその悲劇的最期と分かち難く結び付けられ、そのためか「難解」「国粋主義的」そういった印象を持っていた。市ヶ谷での顛末が大きくクローズアップされる以上、それはある程度は仕方あるまい。
しかるに、本書においては各作品が出版された当時の受け止められ方や空気感、時代背景などが極力客観的に描写され、作品へのバイアスを解くと同時に人間・三島由紀夫を浮き彫りにしている。
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読了 20201119
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東2法経図・6F開架:B1/4-3/1852/K
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三島由紀夫の最期を知る我々は、彼の作品を彼の最期を投影して読まざるを得ない
しかし、当然ながら彼の作家人生には、一つの個人に貫かれていると同時に、時々の考えは揺れているはずである
そう思った時に、この本の”一貫性”への視座、時々の揺らぎ、各作品の意図の解説はとてもいいバランスで、三島の世界観を考える上でとても参考になった -