- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005002221
感想・レビュー・書評
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日本軍慰安婦についての被害者の声を、当時の年齢とほぼ同世代の女の子の手紙のやりとりを交え、レポート形式で記述した本。
ひどい証言が次々出てきてうんざりしますが、このような短文を読むのにもうんざりするほどに愚行が重ねられていたのだと。
日本軍は多かれ少なかれこういうことをしてきたのであり、被害にあった方の衝撃は一生消えないものがある、ということが事実としてあるのだと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(2001.08.21読了)(1999.11.22購入)
(「BOOK」データベースより)amazon
半世紀前、アジアの少女たちの青春が奪われた。日本軍は侵略する先々に、また本土に少女たちを連行し、兵隊のための「慰安婦」とした。韓国での直接取材にもとづき、強制連行、前線の「慰安所」でのくらし、戦後の生活と、彼女たちの想像を絶する苦難のかずかずを描く。人間性への加害と日本の責任を考える一冊。 -
戦争は人を狂気に変える。戦地へ赴く兵士も明日死ぬかも知れない身に自暴自棄に陥るものもあったであろう。少なくとも死の恐怖から逃げたいという動物としての本能も狂気へ駆り出し、ひとときの快楽にみを委ねてしまう。そうした兵士の心理を和らげる目的で設置されていたのが慰安所だ。こうやって書くと、何だか慰安所を正当化している様に感じ、不快に思われる方もいるかも知れない。だが戦場においてその必要性は少なからず死に向き合う兵士たちにとっては重要なものであったと思われる。
慰安婦問題が浮上するたびに、日本以外の国、特に韓国軍によるベトナム慰安婦問題が取り上げられる。中には日本だけじゃないとか、あれだけ騒いでる韓国はどうなんだ、と指摘するものもあるが、それは「みんなやってるのだから、自分たちもやっていいだろう」という身勝手な物にすぎない。
強制的に連行され、慰安婦にされるアジアの女性達。韓国だけでなく、フィリピンやオランダ人女性にまで被害は広範囲に及んだ。彼女達の誰が好き好んで日本軍を相手にしただろうか。本書に記載されている内容全てがそのままの事実かどうかは判らない。だが少なくとも彼女達がそうした想いを抱く様な出来事が至る所で発生していたのは事実だし消すことは出来ない。本書には「吉田証言」なども含まれ、読者の中にはやっぱり嘘か誇張かと安心してしまう人もいるかも知れない。もし、そうした気持ちを抱いている方がいるなら、その他全てを否定できる根拠をお持ちだろうか。
最初に記載した通り軍隊には慰安はあって良い。それが蛮族の様な征服地の人民に対する強制でなければ。日本政府は何度も「補償は済んでいる」「政府の関わりはない」を繰り返す。そして直接的な被害者がいなくなるのを静かに待ち、触れない様にしているだけである。
韓国人が世界中に慰安婦像を建てるような行為まで行うのは、正直なところ慰安婦はどんな国でもある、との常識から見れば世界からも笑われる行為だ。だがそれでも、そう見られようが彼女達がそのような行為を行うには訳がある。日本軍に国だけでなく、身体だけでなく心までも蹂躙され深い傷は癒えることがない。一人一人の声に直接耳を傾けるのは難しいかも知れないが、本書後半に記載されるように謝罪及びそれを忘れないための歴史教育をしっかり行うべきだと考える。 -
2003年12月10日