仏教入門 (岩波ジュニア新書 322)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005003228

感想・レビュー・書評

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  • ・何故か、シニア版?には、記載されていないエピソードがあるような……。ジュニアとは思えないほど、良い本でした。

     岩波新書版の『仏教入門』が、インドにおける仏教史を中心に据えていることに対し、岩波ジュニア新書版の『仏教入門』は(もちろん仏教の芽生えから伝来についても解説してはいますが)、どちらかというと日本における仏教史と人物が主題となっています。

     これまでに読んだ仏教の本には載っていないエピソード「鑑真、失明の真相?など」も多く、興味深い内容ですし、仏教の開祖である釈尊の生涯はもちろん、仏教の進化?や伝来に携わった先人の生きざまも、現代に生きる私たちの指針になる内容ですので、先入観を持たずに読んでみることをお薦めします。

     表紙の像は、ゴータマ・ブッダのようですが、岩波ジュニア新書ということもあるのか、日本史と絡めて解説しているので、日本史が好きな学生さんには、たまらないでしょうし、日本史に興味がもてない学生さんにとっては、興味を持つきっかけになるかも・・?

     仏教を学んでいると、歴史を学ぶためには、宗教史から入ると良いのではないかと思います。

  • インド→中国・朝鮮→日本の仏教の流れがよくわかる。特に中国仏教については苦手意識があったので、この本で克服できた。日本仏教が半分以上を占めていたので、ちょっと長い印象がある。人文学的なだらだらした文でなく、簡潔でわかりやすい文体だった。

  • この本が出た頃、小さな研究会にお呼びして講演して貰った。その時の内容は全く憶えていないが、唯一、「窺基」は最近では「基」とのみ表記する、という事を教えられた。

  • 仏教について改めて学び直すことができた。コンパクトでありがたい。特に、キリスト教などとことなり、仏教は縁起思想で絶対的な創始者といったものを認めないことから、かえって様々な経典や宗派が生み出されていったことなのだなあと思った。また、それが様々な土着信仰などと習合できるゆえんでもあるのかなと。密教について、真言宗は空海がすごすぎたからその後がぱっとしなかったこととか、即身成仏とは、それまでの成仏が何世代もかかって成仏を目指すのに対してだ、というのは知らなかったので勉強になった。鎌倉新仏教についてはさすがに専門なだけ詳しく勉強になった。特に貞慶や明恵ら旧仏教とされた人々も、同じく改革を指向した遁世僧としてくくるべきと言うのはためになった。

  • まとまってていいんだけど、日本語がわかりにくい気がする。ほんとは2.5にしたい。

  • 仏教の基本的な思想と展開が理解できる。おすすめ。
    宗派の違い特徴(特に鎌倉新仏教以降)の解説が欲しかったかも。

    - 仏教
    - 「仏陀の悟りの境地をどうしたら得られるか」
    - コア思想
    - バラモン教に対する批判から生まれている
    - 絶対的存在の否定 → 縁起説
    - カースト制度の否定 → 行動によって決まる
    - 基本ネガティブ。苦しみから如何に抜け出すか。
    - 縁起説:空間的相関関係・時間的因果関係を重視。
    - 輪廻説:悟らない限り、迷いの世界を輪廻する。
    - 戒律(三蔵)
    - 経(経蔵):仏陀の説法
    - 律(律蔵):生活決まりごと
    - 論(論蔵):学者の解説
    - 三宝
    - 仏:仏陀
    - 法:仏陀の教え
    - 僧:僧侶(仏陀の弟子)
    - 仏陀の死後に経典(仏陀の教え)ができる。
    - 保守派の小乗仏教
    - 革新派の大乗仏教(もっと広く人を救おうよ!)
    - 慈悲:利他主義
    - 空 :縁起説の徹底。
    - 唯識:全ては意識。執着するな。
    - 如来像
    - 日本への伝来は
    - 中国の道教・儒教的思想を取り込んでいる
    - 漢字で入ってくる
    - 仏教伝来(538年)
    - 仏教の支配力が蘇我氏→天皇へ。
    - 聖徳太子。国家仏教。
    - 宗:宗教の研究集団
    - 南都六宗
    - 三論宗
    - 成実宗
    - 法相宗
    - 倶舎宗
    - 華厳宗
    - 律宗
    - 神道と仏教の矛盾とその回答
    - 本地垂迹説(仏→神)
    - 最澄・空海という二人の天才。唐へ留学。
    - 鎌倉新仏教の礎に
    - 鎌倉新仏教
    - 世俗的な国家仏教への反抗
    - 官僧やめて「隠遁」する。
    - 天台本覚思想への反抗
    - 都市部の「個」の悩みの解消
    - 阿弥陀信仰:他力。念仏大事。
    - 法然、親鸞、一遍
    - 釈迦信仰:自力。悟りを得たいという心大事。。
    - 栄西、道元、日蓮
    - 江戸時代
    - キリスト教伝来→島原天草の乱→宗門改め制度・檀家制度→葬式仏教へ
    - 廃仏論
    - 国家統治のためにインストールされた儒教(朱子学)
    - 国学
    - から攻撃される
    - →積極的な仏教世俗化への努力。
    - 芸能の起源は仏教普及のためが多い
    - 明治時代
    - 国家神道
    - 神仏分離令・廃仏棄却でダメージ

  • ふむ

  • 玉石混交の岩波ジュニア新書だが、これは良い方。仏教の教えというより、日本での仏教の流れが高校レベルでササッとわかるといった感じか。
    ササッと読めて、わかりやすった。

  • 仏教の簡単な成り立ちから、日本の仏教の歴史をざっと知ることが出来る。巻末に参考文献のページがあるので、もっと知りたかったらここで紹介されている本に当たればいい。

  • 仏教がどのように生まれ,伝わり,分岐し,変化してきたのかがよく分かる.複雑な経緯と多様で超越的な解釈が,神道をはじめとする日本文化への溶け込みを容易にしたのだと考える

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著者プロフィール

松尾 剛次:1954年長崎県生まれ。日本中世史、宗教社会学専攻。山形大学名誉教授。東京大学大学院博士課程を経て、山形大学人文学部教授、東京大学特任教授(2004年度)、日本仏教綜合研究学会会長を歴任。1994年に東京大学文学博士号を取得。『勧進と破戒の中世史』『中世律宗と死の文化』『新版 鎌倉新仏教の成立』(いずれも吉川弘文館)、『仏教入門』(岩波ジュニア新書)、『破戒と男色の仏教史』『葬式仏教の誕生』 『知られざる親鸞』(いずれも平凡社新書)など、著書・論文多数。

「2022年 『日本仏教史入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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