考古学の挑戦――地中に問いかける歴史学 (岩波ジュニア新書) (岩波ジュニア新書 657)
- 岩波書店 (2010年6月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005006571
作品紹介・あらすじ
縄文人は何を食べていた?石器のキズは何を語る?貝の腕輪はどうやって作った?モノの用途や技術を解明して、文字のない時代に歴史の光を当てる考古学は、さまざまな分野と協力して新しい事実を明らかにしようとしています。6人の研究者たちが"現在と未来を結ぶ人間学"としての魅力をつたえる本。
感想・レビュー・書評
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202-A
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ハイレベルだ。
編者:阿部芳郎[あべ・よしろう](1959-) 日本考古学。
著者
吉田邦夫[よしだ・くにお](1947-) 年代学、考古科学、文化財科学。
栗島義明[くりしま・よしあき](1958-) 日本先史考古学。
高瀬克範[たかせ・かつのり](1974-) 先史考古学。
丑野 毅[うしの・つよし](1942-) 考古痕跡研究。
宮腰哲雄[みやこし・てつお](1945-) 有機合成化学、有機工業化学、漆の化学、機能性材料の合成。
【書誌情報】
通し番号:ジュニア新書 657
刊行日:2010/06/18
ISBN:9784005006571
版型:新書 並製 カバー
頁数:248ページ
在庫:品切れ
内容紹介
歴史学のほとんどは,文献などを使って過去を探求します.一方,考古学は歴史学の一分野ですが,モノやモノが使われた場所に残された痕跡を手がかりにして,昔の人たちのくらしを復元します.
昔の人は何を食べていたのだろうか? 石器にのこされたキズは何を意味している? 土器をミクロの目で見てみると何が見つかる? 年代はどうやって調べる? 人骨の腕から見つかった貝の腕輪はどうやって作られた?
この本では,6人の研究者たちが,こうした疑問について,緻密にそしてあざやかに推理・解決していきます.発掘現場でのわくわくするような興奮から,研究室の最新鋭機器による分析まで,たくさんの図版でていねいに紹介.ジュニア新書とはいえ,それぞれの研究の専門分野をしっかり説明しているので,かなり読み応えのある本ですが,ページをめくるたびに「考古学の研究って,こんなことをしているんだ!」という発見の連続です.また,異分野の研究者たちのコラボレーションの楽しさに,きっと興奮していただけることでしょう.
考古学は,机上の学問でもなく,また埃にまみれ現実離れした研究でもありません.編者の阿部先生は,最後に「考古学は,過去を起点にした,現在と未来を結ぶ人間学だ」と結んでいます.過去の人の営みに光をあてるこの学問の魅力を,ぜひこの本で実感してみてください.
〈https://www.iwanami.co.jp/book/b223698.html〉
【簡易目次】
目次 [iii-iv]
序章 発掘からはじまる歴史学[阿部芳郎] 001
第1章 炭の粒で年代を測る[吉田邦夫] 017
第2章 森の資源とその利用[栗島義明] 049
第3章 食べたものを明らかにする[吉田邦夫] 087
第4章 石器が語る「使用履歴」[高瀬克範] 121
第5章 ミクロの痕跡から情報を読みとる[丑野 毅] 143
第6章 漆のふしぎとジャパン[宮腰哲雄] 167
第7章 貝輪作りと実験考古学[阿部芳郎] 199
おわりに(二〇一〇年四月 阿部芳郎) [225-237]
参考文献 [5-6]
図版出典・写真提供 [3-4]
執筆者紹介 [1-2] -
あとがきを読んで、本書の意図はわかった。でもいかんせん、面白くない。
ちゃんとしたライターとか編集者とかががっつり作ったら、また違うものになっていたかも。
ま、イモムシ見つけた話は面白かったが。 -
これはとっても面白かった!
考古学という学問は、なんとなくイメージでしか捉えられてないところがある印象だけど、その中で本当はどんな研究が行われているのか…。
何をすることで何がわかるのか、その手法はどうやって開発され適用されているのか…。
具体例を挙げながら解説されている本書は、エキサイティングで興味深い一冊だった。タイトルからも一見固い本のようだが、とても読みやすかった。 -
考古学というと、どうしても歴史、日本史、文系と考えがち。でも、年代特定や用途、制作方法など研究には、理系分野?と思うような方法が取られている。
学問ってやっぱり文系/理系なんて分けられるものではないのかも。もっと大きくいろんな分野について知ることで、自分の専門分野を発展させる方法を知ることができる。そうやって相互に発展していく。 -
登録日:6/28