論理的に解く力をつけよう (岩波ジュニア新書)

著者 :
  • 岩波書店
3.33
  • (0)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 65
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005007516

作品紹介・あらすじ

うそつきか正直か不明な人に質問を1回して、必要な情報を正確に得られる-そんな方法を知っていますか?この本で論理的な解き方を身につければ、一見むずかしそうな問題もかんたんに解けるようになったり、新しい解決法を発見できたりします。数学や論理、情報科学はもちろん、日常おこる問題にも適用できますよ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ふむ

  • 【書誌情報】
    著者:徳田雄洋[とくだ・たけひろ] (1951-) ソフトウェア生成系,情報ネットワーク。
    イラスト:村山宇希[むらやま・うき]
     〈http://polka3.com/murayama/
    通し番号 ジュニア新書 751
    ジャンル 岩波ジュニア新書 > 社会・倫理
    刊行日 2013/08/21
    ISBN 9784005007516
    Cコード 0241
    体裁 新書・並製・カバー・212頁
    定価 本体820円+税

    うそつきか正直か不明な人から,質問1回で必要な情報を正確にもらう――そんな方法,知ってますか? この本で,論理的な解き方を身につければ,一見むずかしそうな問題もかんたんに解けるようになったり,新しい解決法を発見できたりします.数学や論理,情報科学はもちろん,日常おこる問題にも適用できますよ.

    ■内容紹介
     5章に「重い偽コイン探し」という問題があります.
     9枚のコインがある.8枚はほんもので同じ重さ,残り1枚はにせもので,ほんものより重いことがわかっている.上皿天秤を使って9枚のコインから1枚の偽コインを見つけたい.どのように計測をおこなえばいいか?
     これは,まず,3枚ずつ3組(A,B,C)に分け,そのうちの2組を天秤の皿にのせて,計測することからはじまります.なぜ,3枚ずつ3組に分けるのか,については本を見ていただきたいのですが,AとBを皿にのせて計測したとき,もしAが重かったとしたら,Aのうちの1枚が偽コインになります.Bが重かったら,Bのうちの1枚が偽コインになります.つりあったら,Cのうちの1枚が偽コインになります.
     すると,こんどは偽コインが入っているグループの3枚について,調べればいいことになります.これも天秤での計測1回で,どれが偽コインかがわかりますね.
     この問題は,さらに発展します.27枚,81枚,243枚,….それぞれ何回の計測で偽コインを見つけられるか,もうおわかりですね.また,この章の「仕事は同じサイズに分割する」の意味もおわかりでしょう.

     3章で出る「嫉妬する夫問題」は時間順検討法という問題解決法で解け,「制限つき山くずし」は逆時間順検討法で解け,4章で出る「有名人問題」はまず理想の解があるものとして解けます.
     各章でとりあげた問題が,その章のタイトルと確かに合致しているぞ,とわかれば,論理的に解く力が一部でも身についたことになります.そうなるよう,本書でとりあげた58問の解法の説明をじっくり読みこなしてください.暑い夏が少し涼しく過ごせるかもしれません.
    https://www.iwanami.co.jp/book/b223789.html

    【目次】
    はじめに(2013年8月 徳田雄洋) [iii-v]
    目次 [vii-ix]
    論理的考え方にもとづく問題解決の12原則 [x]

      第I部 基礎編
    第1章 論理的に解くとは 001
    問題1.1 手数料最小の会社合併 
    問題1.2 電話を2人でかけあう 
    問題1.3 偽コイン問題 
    問題1.4 ベランダ閉め出し 
    問題1.5 パスワード50個の管理 

    第2章 論理的考え方を利用する 009
      場合分け法
    問題2.1 3つの金属のかたまりの比較 014
      不完全な場合分け
      文の否定のつくり方
      直接的推理法
      逆と対偶
    問題2.2 財布落とし主問題 020
      2個以上の条件文の逆
    問題2.3 3つの金属の判定表 023
    問題2.4 偽コインの軽重判定 026
      条件文の裏
    問題2.5 不完全データベース問題 030
      十分条件と必要条件
      推論
      背理法
    問題2.6 白黒帽子問題 038
    問題2.7 完全にそっくりな自宅の模型 040
    問題2.8 部屋割り問題 042
    問題2.9 教室の50人 043
    問題2.10 2人の公平分割 044
      数学的帰納法
    問題2.11 素数は無限個ある 046
    問題2.12 酔歩問題(ランダムウォーク) 049
    問題2.13 分銅つくり 050
    問題2.14 4桁符号配置 053
    問題2.15 4人女王配置 056


    第3章 問題解決法を利用する 059
      時間順検討法 
    問題3.1 嫉妬する夫問題 60
      逆時間順検討法 
    問題3.2 制限つき山くずし 63
    問題3.3 かならずある不意試験 65
      トップダウン法
    問題3.4 到達問題 68
    問題3.5 ベランダ閉め出し 69
    問題3.6 パスワード50個の管理 70
    問題3.7 5個の数字の和の最大値 72


      第II部 詳細編
    第4章 まず理想の解があるものとして 075
    問題4.1 最年長者問題 77
    問題4.2 有名人問題 79
    問題4.3 ひっくりかえし整列問題 81
    問題4.4 ひっくりかえしシャッフルゲーム
    問題4.5 円盤問題 86
    問題4.6 一般円盤問題 90
    問題4.7 ケーキ公平分割 92
      ナイフ移動法
      最後に切った人法
      逐次分割法 

    第5章 仕事は同じサイズに分割する 099
      2分質問法
    問題5.1 数当て問題 101
      3分質問法
    問題5.2 重い偽コイン探し 104
    問題5.3 L字形タイル板問題 107
    問題5.4 8つの数の最大と最小を見つける
    問題5.5 8つの数の整列 113
    問題5.6 27枚のコイン問題 115
      原因設定法でコイン問題を解く
    問題5.7 12枚のコイン問題 118
    問題5.8 12枚、6枚、7枚、8枚のコイン問題 122

    第6章 同じ仕事は1回だけ 129
    問題6.1 5つの数の和の最大値 130
    問題6.2 国境通過問題 134
    問題6.3 クラブ所属問題 137
    問題6.4 卵落下問題 139


      第III部 応用編
    第7章 目印をつくって分類する 145
    問題7.1 階段ののぼり方 146
    問題7.2 多角形の3角形分割 148
    問題7.3 足し算の方法 151
    問題7.4 最長共通部分列 153
    問題7.5 最大上昇期間 156

    第8章 場合分けして予測する 161
    問題8.1 分かれている道 162
    問題8.2 3人の公平分割 165
      素朴法
      1位2位同点法
    問題8.3 2人で電話をかけあう 169
    問題8.4 地震がおこるか、おこらないかの予言 171
    問題8.5 1のカードか2のカードかの予言 172
    問題8.6 偶数奇数の予言 174

    第9章 可能なかぎりくりかえす 177
      2つの整数の最大公約数
      会社合併
    問題9.1 5つの会社 180
      最小和2社法
    問題9.2 出発点へもどってくる道路 183
    問題9.3 制限つき山くずし 186
    問題9.4 分銅山くずし 189
    問題9.5 8人の安定結婚 193
      男子を申込者とする申込者優先法
    問題9.6 不運な6人 196

    参考文献 [199-201]
      論理学/数学原論/組合せ数学とグラフ理論/情報工学/人間行動に関するゲームの理論/人間の心理学的ゲームの分類/組合せ論的ゲーム理論/ニムゲーム/偽コイン判定問題/公平分割/アルゴリズム集成


    【感想文】
     タイトルはビジネス書チックだし、表紙絵がファンシーだが、中身は堅実。岩波ジュニア新書らしく、たいていの岩波新書より難しい。

     論理記号・数式はあまり使用してないが、かといって読みやすいわけではなく、かつ、日本語文が延びがち。
     そのほかの箇所では、うってかわって日本産教科書チックに説明を簡単に済ませる箇所も多いため、初学者にはやや不親切だと思う。
     結果として、素朴な学部生向け導入テキストと同程度に読みにくい本(でも解説はしっかりなされている本)が完成した。

     不思議な点をまとめると:
     ①高校数学苦手な人では読み通せない。②数学が得意な人なら、簡単な論理記号を理解出来る(多分)。③本書は説明が簡素なわりに、全体として文章に推敲の余地がある。
     ①〜③をまとめると、「数式や記号を極力排除して日本語だけで書く」というコンセプトがあまり成功していないような……。とても頭のいい小学生なら読めるとは思う。でも小学生・中学生一般を狙って書かれた本ではなさそう(私の推測は全然違うかもしれないが)。

     本書と同程度に優れた入手しやすい現役の本もあることを考慮にいれると、論理学・アルゴリズムの入門書としての本書の優先度は高くないと思う。教員や講師が説明の説明や問題提示の模範をさがす目的で類書と読み比べる場合なら、本書は、より役立つと思う。
     利点ももちろんあって、「問題へのアプローチ」が複数挙げられていると云う構成。また、巻末の参考文献リスト。

  • かなり難しい。内容は興味深いが消化不良。じっくりもう一回読もう。

  • 年内には読みたい。

全4件中 1 - 4件を表示

徳田雄洋の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×