ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読 (岩波現代文庫 学術 19)
- 岩波書店 (2000年6月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006000196
感想・レビュー・書評
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古典。
「精読」部分はノーコメント。
原典はいたって普通の本で、何故ここまでありがたがられているのかよく分からなかった。
「アウラ」という手触りをそれっぽくテキトーに記したがために、学者先生とか文化気取りが論じる題材として適当だっただけではなかろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても面白かった。複製技術はどんどん進歩を経ているが、また我々は同じような課題に直面しているのではないか。今読んでも充分価値はある。
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2-3-1 メディア論
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ベンヤミンのテクスト自体は50ページほどで、簡易にまとまっている。
これを執筆した20世紀前半というのは、生産側が複製技術を用いることによって大量生産を行うことが可能になり、その結果として資本主義的な世界が発展していった時代だった。
そして、今現在の21世紀においては、「消費者が」複製技術を用いる事が可能になった時代であり、情報化された商品ははじめから複製される事を前提に作られる様になってきている。
ニコラス・ネグロポンテの『ビーイング・デジタル』と併せて読むと、現代の情報化社会についてより理解を深められるかも。 -
文字を追うのと平行して今までの自分の経験に基づく映像が浮かんできた。
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今さらながら、ベンヤミン。
なにか一部の人にはバイブルのような扱いを受ける、複製技術時代の芸術作品です。その人がちゃんと読んだかは、アウラについていかに話せるかでわかる。
アウラは集団内で芸術に抱く信念、共同幻想。 -
はじめてベンヤミンの世界を知るには良い本かもしれないが、これで終わってはいけないと感じた。
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ベンヤミン入門書として最良のものなのでは。最後に付随されている翻訳原版を読んでから、多木さんの精読を読んでもう一度原版を読むと、わかった気になれる。
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【目次】
1 テクストの誕生
日本への紹介/ことの始まり/修正されたフランス語テクスト/「古典」の注釈
2 芸術の凋落
変わりゆく芸術/二つの問題──技術と知覚/大衆の時代での芸術作品/芸術は盛りをすぎた──ヘーゲル/ベンヤミンのデュシャン論
3 複製技術というパラダイム
史的唯物論とベンヤミン/著作のネットワーク/『生産者としての作家』/芸術作品の生産装置/ダダイズムの評価/創造と受容の結合/複製という技術的パラダイム/芸術が失ったもの
4 アウラの消える日
アウラ──集団の幻想/『写真小史』/アジェの写真/知覚の役割/アウラなき世界/時代の顔──あらたな観相術/写真の政治性
5 知覚と歴史
リーグルの「芸術意欲」と「知覚論」/ウィーンの美術史家たち/知覚の二つの極
6 芸術と政治
アドルノとの食い違い/礼拝的価値と展示的価値/伝統と大衆/生きのびるための技術/「政治」を根拠とする芸術
7 芸術の知覚
複製の違い/人間と機械装置の釣り合い/無意識の知覚/映画の精神療法的効果/映画の触覚的な質
8 ミメーシスと遊戯空間
映画論による冒険/映画俳優の演技/観客の経験/あらたなミメーシス/展示的価値の政治学/映画の可能性と危険
9 触覚の人ベンヤミン
くつろいだ鑑賞/歴史的な力の中心/建築の経験/触覚的受容/触覚による思考の組み替え/大衆を朝刊する技術/遊戯性と触覚性/未熟な社会を成熟させる芸術
ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」(野村修訳)
ヴァルター・ベンヤミン略年譜
あとがき
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