生命の多様性 下 (岩波現代文庫 学術 132)

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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006001322

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  • 第12章 脅かされる生物多様性
    ポリネシアのトンガからハワイまでは、ラピタ人が到着したときに固有種の半分が消された
    ハワイでは、18世紀後半までに35〜55種が絶滅し、その後2世紀の間に残った陸生鳥類50種の1/3が姿を消した
    1万2000〜1万1000年前の間に、北米では大型哺乳類の属の73%、南米では80%が絶滅した。大型鳥類の属も同程度が絶滅した。200万年栄えたマンモスが1000年の間に姿を消した。地上性ナマケモノも同時に姿を消した
    北米の陸上哺乳類は過去1000万年の間に、6回の大絶滅によって激減した。500万年前に60属が姿を消した。1万年前に40属が姿を消した。
    ニュージーランドでは、AD1000年頃にマオリが渡来して以降、飛べない鳥9種を含む陸生鳥類20種が絶滅。森林伐採、火入れ、マオリとともに渡ってきたネズミが原因
    マダガスカルでは、AD500年頃にインドネシアから移住してきた後100年間の間に、飛べない隆鳥6〜12種、キツネザル類17属のうち7属が消えた
    オーストラリアでは、3万年前にアボリジニーがやってきて以降、フクロライオン、巨大カンガルー、地上性ナマケモノ、サイ、バク、ウッドチャックなどの大型哺乳類が姿を消した。2万6000〜1万5000年前の乾期に多くの動物が絶滅。人類侵入後、爬虫類、小型哺乳類、鳥類は生き残っている。
    人間が島嶼に住みつくようになって以降の過去2000年間に、世界の鳥の種の1/5が絶滅した。

    ホットスポット
    1988年にノーマン・マイヤースが名づけた。
    多数の固有種を宿し、主要な生息場所がもとの10%未満の広さまで減少しているか、今後十年から数十年の間にそこまで減る運命にある地域。
    18地域を合計した面積は、地球の陸上面積の0.5%。世界の植物種の1/5がその地域のみに生育する。
    エクアドル西部の低地と山麓部の森林は、ホットスポットの中で最もホット。
    生物の歴史上の同サイズの陸上動物に比べて、人類の個体数は100倍。陸上生物がとらえる太陽エネルギーの20〜40%を人類が独占している。
    面積−種数曲線モデルで考えると、現在の速度で熱帯雨林の減少が続けば、毎年種の0.5%が絶滅し、30年間で10〜22%が消え去る。
    多雨林に生息する種数を1000万とすると、控えめな推定値でも年間2万7000種が失われていることになる。

    第13章 未開発の富
    アメリカで処方される医薬品のうち、生物に由来するものは40%以上
    人類の歴史を通じて7000種類の植物が栽培され、食べ物として採集されてきた。世界の食糧の90%を20種が提供。
    世界で300種の魚介類が養殖され、その85%はコイ科の種。

  • 面白かった。解決への道、という章がいい。

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