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- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006022327
作品紹介・あらすじ
大阪市生野区猪飼野-一九七三年二月一日を期して、その町名が消えた朝鮮人密集地である。朝鮮人の原初の姿が風化されずに残る地域として知られる。猪飼野で暮らした記憶をたどりながら、その集落での生活を語る連作詩集。「詩こそ人間を描くものだ」という作者の思いが見事に表現された代表作。書下ろしの自著解題を収録。
感想・レビュー・書評
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私の人生を変えた1冊です
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「おしやられ/おしこめられ/ずれこむ日日だけが/今日であるものにとって/今日ほど明日をもたない日日もない。/昨日がそのまま今日であるので/はやくも今日は/傾いた緯度の背で/明日なのである。/だから彼には/昨日すらない。/明日もなく/昨日もなく/あるのはただ/狎れあった日日の/今日だけである。」(日日の深みで(1))
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「川は/暮しをつらね/暮しは/川をへだてる。/川をへだてて/集落があり/集落をへだてて/街がひろがる。/街はながれる川を知らず/川はひろがる海を知らない。」(へだてる風景) -
昨今のヘイト・スピーチからの視点で著書を読むと胸が痛む。
なぜ貧困なのかは差別があるからであり、その貧困が連鎖して、一定の土地から抜け出すことができない。
単純に今ある現象だけで、悪意を持ったり、差別を助長する愚かさを知らなければならない。
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