現代語訳 東海道中膝栗毛(上) (岩波現代文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006022426

作品紹介・あらすじ

本書は、江戸期の最大のベストセラーである。放蕩のあげく神田に逼迫していた遊び人弥次郎兵衛と、その食客北八の江戸っ子二人組が、借金取りから逃げるため、東海道の辿る旅に出る。道中で繰り広げられる滑稽と醜態の失敗談が、駄洒落、狂歌、各地の風俗、奇聞をまじえながら語られる。今なお日本人に愛読されるユーモア文学の傑作を、原作のリズムを伝える現代語で楽しむ。上巻は、江戸から桑名までの旅路を辿る。

感想・レビュー・書評

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  • 先日イギリスの19世紀のユーモア小説「ボートの三人男 もちろん犬も」を読んでて、日本の旅物ユーモア小説「東海道中膝栗毛」もきっとこんな感じなのでは?と思って読んだみた。

    こっちの方がおもしろい。(距離も日数もこっちの方が多いからかな。)

    膝栗毛って何?という問いへの答えは書いてないので、調べてみると、「膝を以って、栗毛の馬に代え、徒歩で旅すること」だそう。

  • 静岡県民たるもの、いつかは読んでみたいと思っていた『東海道中膝栗毛』。
    弥次郎兵衛と北八の滑稽な旅路を、会話をメインにした軽やかな訳で楽しめました。

    おふざけがすぎる···と呆れてしまうようなふるまいばかりの2人ですが、さらりと詠む一首は洒落がきいていておもしろかったです。
    自分たちのやらかしたことで人を怒らせてしまっても、最後は笑いに変えて旅路を進んで行く2人。
    江戸時代のベストセラーが、こんなにもユーモアと笑いであふれているというのは、なんだか前向きな気持ちになれるなぁ···などと思いながら下巻へ。

  • 教科書では知っていたけど、一生に一度だけだろうと思い最後まで読んでみた。
    江戸時代の口語調とはいえ、現代文ではないので少し読みにくい。

    どうにか読みやすくできないかと音読しながら読んでみたら、景色が激変。
    まるで歌舞伎や時代劇を見るかのように、愉快痛快な物語に変身。いつの時代でも男は女性の尻を追っかけるし、女性は男性を叱り飛ばすんだなぁと思った。

  • 歴史の教科書で習ったあの十返舎一九の「東海道中膝栗毛」の現代語訳ということで、「これは絶対面白いに違いない!」とさっそく図書館で上下巻を取りよせました。

    ヤジさんこと弥次郎兵衛とキタさんこと北八のドタバタコンビのまったくハチャメチャな旅行記。日本橋を出発して、彼ら二人と東海道の旅を楽しもうとワクワクしながら読み始めたのですが・・・。

    江戸時代、男衆二人旅だと、やっぱりこんな風になっちゃいますかね。それとも彼らは特別だったのか。どの地へいっても、彼らの頭の中は、酒か、女か、ダジャレか、旅の恥はかき捨てとはいうものの、本能の赴くままのメチャメチャな旅。

    あまりにこのパターンが繰り返されるもので、もう三島あたりまでくると、ウンザリ感がこみ上げてきました(笑)。

    というわけで、三島あたりからは、のぞみに乗ったかのようにすっ飛ばしながら読むことにしました。

    「滑稽本」ということで当時はベストセラーだったのですよね。十返舎一九は挿絵も自ら書いたようで、その挿絵の幾つかがこの本にも載せられていました。

    当時の挿絵入り娯楽本でしょうかね。かな混じりで書かれていたそうですし、当時の庶民、特に男性読者を楽しませてくれたのでしょう。

    ですが、おそらく現代の女性読者には、嫌悪感をもたらす恐れが多分にありますね。これは江戸の文化の一端を表す作品だくらいに読むのがよいと思います。

    このまま下巻も読み続けるかどうか非常に迷いながら、上巻を読み終えました。

  • ちょっと思う所あって読みました。有名だけど実はあまり良く知らない。忘れてるだけかなぁ・・・とも思ったけど、読んで実感。やっぱり良く知らなかった。五十三次の宿場町全ては覚えてないけれど、分かる所もあった。こんな下世話で下ネタ豊富だったとは・・・。世紀のベストセラーになるには、こういうのが欠かせないのかもしれない。所々爆笑。短歌もまた楽しかったです。女好きなのはどちらもどちら。昔も今も男だけの旅には色が必要らしい。下巻も年明けには読みたい。去年まで住んでいた宿場町はどう描かれているんだろう。

  • 著者:十返舎一九(1765-1831、静岡市葵区、戯作者)
    訳者:伊馬春部(1909-1984、北九州市八幡西区、作家)

  • 弥次さん喜多さん珍道中は、子ども向きではなくて艶っぽい話が多かった。ワンパターンの構成で話が続くので飽きもする。子どもの時に読んだ話がいつ出るかと期待しながら読み続ける。2018.5.2

  • 本書は、江戸期の最大のベストセラーである。放蕩のあげく神田に逼迫していた遊び人弥次郎兵衛と、その食客北八の江戸っ子二人組が、借金取りから逃げるため、東海道の辿る旅に出る。道中で繰り広げられる滑稽と醜態の失敗談が、駄洒落、狂歌、各地の風俗、奇聞をまじえながら語られる。今なお日本人に愛読されるユーモア文学の傑作を、原作のリズムを伝える現代語で楽しむ。上巻は、江戸から桑名までの旅路を辿る。

  • 弥次郎兵衛と北八の江戸っ子が借金取りから逃げるため、江戸から桑名までの道中で繰り広げる珍道中。くだらなさがたまらない。

  • 江戸時代の自由奔放さ横溢する文化が直に感じられる.文化の成熟には,この自由さは必要不可欠だったのだろう.さて,それに比べてせせこましい現代は如何だろうか.

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