学問の冒険 (岩波現代文庫)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006032456

作品紹介・あらすじ

丹波篠山の山野をかけめぐった探検好きの少年時代。人間悪の根源への問いを深めた戦争体験。今西錦司・宮地伝三郎両氏に導かれた霊長類のグループ研究。アフリカ探検調査の辛苦と感動…。日本独自のサル学を切り拓いた著者が、冒険の精神と発見の喜びに満ちた自らの半生をふりかえり、学問の創造性を育む「雑木林の思想」の魅力を存分に語る。

感想・レビュー・書評

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  • サイエンス

  • 1989年に単行本は刊行されている。よって、それ以前のフィールドワークの話が中心になる。前半ではサル学に入っていくまでの若いころの話もある。他でもいろいろと読んだことはあったけれど、本当に若いころは病弱だったようだ。というか、50歳過ぎてから、健康な体になったということだ。それにしては、よくも精力的にフィールドへ出かけていかれたものだ。そしてまた、定年退官後の活躍もすさまじい。犬山から丹波篠山にもどって地域の野生動物保護(守るだけではなく増えすぎたシカなどは、どんどん捕獲して食べたり、皮を利用したりもしている)や若者への自然教育などに力を入れられている。チンパンジーとオランウータンで行った実験が興味深い。仕掛けのついた箱にバナナがついている。チンパンジーはあちこちいじり回して試行錯誤の末、獲物にたどり着く。オランウータンはじっくり考えておもむろに箱を開ける。その間、どちらも約10分。いろいろな子どもがいていい。いろいろな教育法があって良い。兵庫県では小学高学年で5泊6日の自然体験合宿があるそうだ。全小学校であろうか。それならすごい。

  • 日本の霊長類学、生態学、草創期の情熱。学問はロマンだ。

  • 読み始めは、個人的な話ばかりでおもしろくない。
    読み進むにつれて、サル研究がそのまま人間とは何かの理解を深めていく。フィールドワークの壮絶な体験を淡々と書いてるのが印象的。
    すごい人なんだなぁ・・・・というのが読後の感想。

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著者プロフィール

1924年兵庫県生まれ。京都大学理学部卒業。理学博士。生態学・人類学。京都大学霊長類研究所所長,財団法人日本モンキーセンター所長,日本霊長類学会会長,兵庫県立人と自然の博物館名誉館長,兵庫県森林動物研究センター名誉所長などを歴任。2021年5月14日没。著書に『ゴリラ探検記』,『少年動物誌』,『学問の冒険』,『人間の由来』などがある。

「2022年 『ニホンザルの生態』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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