- Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022505231
感想・レビュー・書評
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ノーベル賞受賞報道はいろいろあったのに、肝心の研究内容について丁寧に教えてくれる番組も無く、高校以来「文系頭」の私には、研究について具体的に説明してくれる人が身近にいる筈も無く。こんな本をずっと探していたような気がします。
物理の基礎の無い人が読んでも十分楽しめる内容で、帯にもある通りスリリングで一気に読み進められました。
サイアスについては、私にとっても残念の一言。冒頭の「マスコミ報道のレベルの低さ」の一文に思わず苦笑い(^-^;;A詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白い、わくわくする、そんな形容がふさわしい。昨年(2008)ノーベル物理学賞を受賞した小林・益川教授の理論と、加速器を使った理論実証を立花隆が思い入れたっぷりに綴った一冊。
理系でありながら大学1年の数学と物理を完全に放棄した自分にも分かるらいの平易さで、小林・益川理論の重要性と、その実証を行った加速器の超最先端測定技術について説明されている。
改めて日本の技術力の高さに驚嘆した。と同時に、「すぐに役立つ」とか「お金になる」とかいった目先のことを大学が追っかけて、こういった知識の地平を切り開いていく研究(文系・理系問わず)に予算を投じなければ、日本の将来は暗いよな、と思った次第。 -
す ご い・・・。物理の最前線ってすごいぞ。しかも日本って、ものすごいぞ。(゚Д゚ )
もう、立花隆氏が口角泡飛ばして(?)力説したくなる気持ちわかるよー。
文字読んでるだけなのに、ツバ飛んでくる勢いです。熱い。熱いぞ、日本物理学。
いや、すごい。この事実はほんと多くの人が知るといいです。
難しいところはすっ飛ばせばいい。「Ⅰ」を読むだけでもいいですよ。
それでも、この「熱さ」は伝わり、理解できますからっ。
あと、最後の座談会のページの最後に、「3」という数字がナゾなんだっていう話が出てくるんです。物理学のいろんなところに「3」という数字が顔を出す、と。
もうそれって「宗教」でも意味ある数じゃん!?_(_ _)ノ彡☆ばんばん!たまらん。 -
なかなかKEK関連のお話は少ないので(読み物的に)。
Bファクトリーのお話はとても興味深く面白かった。
座談会も熱い。
でも連載休刊後も詰めて欲しかったのが本音。
個人的に8章はいらない
立花さんの熱さがちょっとうっとおしい。 -
090603読了
当事者たちの情熱は理解できるのだが、
立花隆の熱がり方は同なんだろう・・・。 -
090429に読み始めた。かなり面白そう。気合いを入れて読みたい。
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200904
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(2009.03.04読了)
何とも中途半端な本です。立花さんが書いたノーベル物理学賞受賞の小林・益川理論に関する本ということで、今度こそ、受賞対象の内容がわかるだろうと期待して読んだだけに落胆も大きいものがあります。
小林・益川理論の重要な柱は2本あり、1つは、クォークが3世代6個なければならないという予言。もう一つは「CP対称性の破れ」はクォークが3世代であることから生まれるだろうという予言。(?-6頁)
クォークが6個と予言したのは、クォークが3個見つかっていた段階でした。その後、1974年にチャーム・クォーク、1977年にボトム・クォーク、1995年にトップ・クォークが発見されて証明されました。
「CP対称性の破れ」についての検証実験は、日本の高エネルギー加速器研究機構の「ベル」チームとアメリカのスタンフォード線形加速センターでの「ババール」チームで行われ、2001年、両チームはほぼ同時に、小林・益川理論は基本的に正しいとする結果を導き出した。(?-7頁)
この本は、小林・益川コンビのノーベル物理学賞受賞が近いと見越して雑誌「サイアス」(朝日新聞社刊)に2000年4月号〜12月号に連載した「消えた反粒子の謎に迫る」を採録したものですが、1年以上をかけるつもりで、連載を開始したものが、雑誌「サイアス」が休刊となってしまい、途中で途切れたものです。
著者は、連載の中で、「自分でインターネットの頁を作ってでも、このリポートを続けていくつもりである。」(?-114頁)と書いているにもかかわらず、この本には、続きのリポートがないということは、つもりだけで終わったようです。
その意味で、当初の構想が、途中中断のまま終わった状態なのです。
今更、続きを書いて、一冊の本にしたころには、ノーベル物理学賞受賞に関する関心は失われてしまうだろうから、中途半端でも、出してしまおうというのが、朝日新聞の思惑であろうし、書いたものが雑誌なり単行本にならないと収入につながらない立花さんの立場でもあろうと思います。
読む方としては、多少時期がずれても、ちゃんとまとまったものを本にして出してほしかった。何とも残念です。
(2009年3月4日・記) -
あまり表に出ない加速器実験に焦点をあてている点がユニーク.
あと大きな成果が出なかったトリスタン(トップクォーク探し)の苦労話はもっと知りたいと思った.
以前読んだ「ノーベル賞を獲った男(CERNのカルロ・ルビアがZ0ボゾン発見した話)」の方が登場人物の個性が強烈な分は,おもしろかったとは思う.
強烈な登場人物という意味では「カミオカンデ(小柴先生)」はいずれきっと面白い内幕本がでそう...