ダチョウ力 愛する鳥を「救世主」に変えた博士の愉快な研究生活

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022505606

感想・レビュー・書評

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  • ダチョウの凄さがわかる。
    ダチョウの免疫に興味があるなら、ぜひ。

  • 鳥インフルエンザ → ダチョウ抗体マスクの流れで塚本先生を知った。鳥インフルエンザ対応のときにテレビでみたときは、とても誠実そうなまじめな研究者のイメージ。そのあと、この本を読んで、ダチョウバカのイメージに上書きされた。世界を変えるのはこういう人だろうと漠然と思う。鳥エピソードの数々がおもしろかった。

  • ダチョウがこんなに可能性を秘めた動物だなんて思わなかった。
    人類は「知りたい」という欲求を満たしながら、同時に人間以外の生物の計り知れない能力を思い知らされるのだ。知への探究心に素直に耳を傾けたい。

  • 平易で読みやすい文章でした。
    ダチョウの生命力の強さ、不思議な生態が面白くてあっという間に読んでしまいました。この時の研究が今に生かされていると良いなと思います。

  • ダチョウすげぇ!

  • 愛とユーモアあふれるダチョウ本です。
    ダチョウの免疫力の強さに着眼し、一途に研究し続けたところがすべてです。
    その後の、様々は発見や商品化などはその苦労に報いるおまけです。
    予算を付けた大学も偉いが、研究し続けた塚本氏も偉い。

    そもそも塚本氏が鳥好きだったこと、大学生の時にダチョウ牧場をみつけそこで専属医師となったこと、オーナーが研究に理解を示してくれたこと、大学で研究対象として予算がついたこと、よい弟子に恵まれたこと、時代が鳥インフルに対する特効薬を欲していたこと・・など時系列に考えていけば、運命に導かれたかのような流れです。

    研究対象である脳みそが小さく頭が悪いが、生命力だけは鳥の王様であるダチョウ、日本列島でもかつて土建屋さんが副業でダチョウを飼っていたブームがあったらしいのですが、そういえば私の田舎(愛媛)でもなぜかこんなところにダチョウがいると目撃したことを思い出しました。

    読みながら笑ってしまう箇所があるので、電車での読書はお控えください。
    欲を言えばきりがありませんが、写真やイラストが皆無だったのが残念でした。

  • 野生の鳥は卵を全部生みきってから温める。
    ヒナが孵る時期を合わせる
    卵白に含まれるリゾチームが細菌を溶かす。
    卵殻膜も最近の侵入を防ぐ。

    太らせないと産卵数が増える。

    鶏卵のオレンジ色の黄身、パプリカをエサに混ぜている。

    遺伝子操作で無害化した病原体を注射し、抗体を作る。
    鶏卵の数倍の感染抑制力。
    1個の卵から4gの抗体。ダチョウマスクなら8万枚。
    製造原価10万円/1g。ウサギやラットの抗体は数億円。

  • ダチョウに秘められた様々な力を研究している大学教授の話。
    ダチョウ最強!マスク欲しい。

  • 小鳥への愛から始まって、ダチョウへ行きつき、その免疫力を活かせるよう、人の病気の治療に目を向けた博士の研究生活。追う姿はコミカル。でもその目は軽く「解体」「処分」とシビア。売り込み半分と、10年ほど経った今、底力としてさりげなく活躍されていることを期待したい内容でした。

  • ダチョウの平均寿命は50〜60年、年間に卵を数十個産み平均1.5kg、多い個体では年間100個を超える(自分の体重ほどだ)。寿命を考えると多産だ。ストレスに弱く輸入したひな鳥が全滅する一方免疫力は強く鳥インフルにかかっても重症化しない。またケガにも強く、カラスにお尻の肉をつつかれ尻や腰の肉がえぐれてクレーターになっても気にせずエサのもやしを食べ続ける。傷口は生理食塩水で洗ってほっとけばすぐに治ってしまうのだ。

    体重100kgを越す個体でありながら脳の大きさはわずか300g、目の方が大きい。群れで走るが特にリーダーはいない。一羽が動き出すとつられて他のダチョウも走り出すだけだ。そんなダチョウが注目を浴びたのが鳥インフルの抗体作り。ダチョウに不活化したウイルスを注射すると、ウイルスの持つタンパク質に対応した抗体をつくりそれが卵に入る。他の生き物ではコストが合わない抗体をでかいダチョウの卵だと採算ベースに乗る。息苦しくなる医療用マスクとは違いダチョウから得られた抗体を塗布したダチョウマスクは表面の抗体がウイルスをキャッチするため楽に呼吸ができる。ネットで調べると花粉症バージョンもでていた。

    「ダチョウ博士の異常な愛情が人類を救う」とオビにはあるが、難波のあほ力ならぬ、アホなダチョウ力とその力を見出した塚本博士のダチョウ愛溢れるお話でした。

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著者プロフィール

京都府立大学学長・獣医学博士
1968年、京都府生まれ。1994年、大阪府立大学農学部獣医学科卒業。カナダ・ゲルフ大学獣医学部客員研究員。1999年、ダチョウ牧場「オーストリッチ神戸」のダチョウ主治医に就任し、本格的なダチョウおよびダチョウ抗体の研究を始める。 2008年京都府立大学大学院生命環境科学研究科教授、2020年4月京都府立大学学長に就任。
超大型鳥類であるダチョウを用いた新規有用抗体の低コスト・大量作製法の開発。および、がん細胞における細胞接着分子の機能解明とその臨床応用化、高病原性鳥インフルエンザ防御用素材の開発を研究。2008年6月、京都府立大学発ベンチャー「オーストリッチファーマ株式会社」を設立。ダチョウの卵から抽出した抗体を用いて新型インフルエンザ予防のためにマスクを開発。以後もダチョウ抗体を利用したさまざまな研究(ガン予防・美容など)に取り組む。
著書に『ダチョウ力』(朝日新聞出版)、『ダチョウの卵で、人類を救います』(小学館)などがある。

「2021年 『ダチョウ博士の人畜無害のすゝめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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