おじさんとおばさん

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022507365

感想・レビュー・書評

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  • 「隣の芝生」じゃないけれど、平凡で幸せな自分はつまんないものに感じることはありますよね。
    同級生の男の子と女の子は同級生のおじさんとおばさんになって同級生のおじいさんとおばあさんになるのです。交わることはないけど、いっしょにすすんでいくことはできます。
    だから同級生は同級生のままが最高!

  • +++
    ひさかたぶりの同窓会に集まった男女たち。みんなもうおじさんとおばさんで、体力気力は落ち気味、介護や子供たちの就職にと心配の種もつきない。しかし、初恋の人に会えば胸がきゅんとし、同時代のテレビ番組、漫画、流行歌を思い出すと懐かしさに気持ちが温かくなる。幾つか新たな同級生カップルもできたが、その恋の行方は?熟年こその「希望」を求める50歳を過ぎた人々に、愛をこめて贈る同窓会小説。
    +++
      第一話  愛のプレリュード
      第二話  男の子女の子
      第三話  プレイバックPart2
      第四話  愛なき世界
      第五話  HELP!
      第六話  希望
    +++

    50代も後半になれば、それぞれに立場上や健康上の問題を抱えるようになるのは当然である。そんなさまざまな屈託を抱えた六年三組の元同級生が四十年以上の時を経て再会した。駆け引きや損得勘定も歳相応に上手くなったが、同級生というのは浮世の人間関係とはいささか違う近しさがある。そこで純情が蘇えったりもするのである。本作に自分を重ねる対象は残念ながら見あたらなかったが、自分とダブらせる読者もおそらく多いことだろう。各章にこのタイトルがつけられた意味が第六話で判る。還暦を目の前にして、力いっぱい歌うのだ!

  • 同級生、平安寿子の最新刊。

    教わった先生の息子が選挙に出るのを応援する、という設定には心当たりがあった。

    クラス会の準備会でひさびさに会う同級生の男女。おじさんおばさん世代の「現在」が、淡い恋愛感情も交えてユーモラスに描かれる。
    『希望』の歌詞がしんみり心に響いた。

  • 小学校の同窓生が再会し、50代の男女6人のその後の付き合いが描かれる。つねづね感じていたことや考えるのを後回しにしていたことなどが、登場人物たちの状況として書かれている。それはもうシビアに容赦なくあからさまな位です。老化の問題、家庭環境、家族の問題、などなど心あたりがありそうなことばかり。ア〜つらそう。50代ってほんとに大変ですね、結婚していてもしていなくても、老いに向かって変化に戸惑う中、働いて、責任かかって、親の面倒や子供の心配や気苦労、配偶者へのストレス。自分の身がわけもなく不安になってしまった。この本を読んで、すぱっと開き直れるなら良かったのだけれど、どうも気持ちが晴れなかったな。

  • 東京へ行ってるあいだ、水木金土日とまったく本を読まなかった(読むヒマがなかった)。こんなことは滅多にないが、目の休養になったかな~。

    先週は近所の図書館が蔵書点検だったので、大阪不在もちょうどよかった。日曜の晩に帰ってきて、昨日は蔵書点検明けの図書館へ行く。といっても、ちょうどリクエスト待ちしていた本が3冊待っていて、3冊返して、それを借りたら、いつもどおり貸出上限の10冊いっぱいなので、点検のすんだ美しい書架は見ずに帰る。

    昨晩は、借りてきたうちの1冊、平安寿子の『おじさんとおばさん』を読んでしまってから寝た。やっとこれで日常に戻ってきた感じ。

    担任だった先生の息子が選挙に出るというのがきっかけでお呼びのかかった元教え子たちが集まった、小学校の同窓会。選挙を意識したスピーチ大会はそっちのけで、学年ごとクラスごとに話の輪ができる。そのひとつの輪は、昭和28年うまれの、6年3組だった6人。還暦も間近。

    女3、男3の6人は、主婦をやってきて孫もいる女、独身で勤めてきた女、離婚してシングルマザーをやってきた女、家業を継いだ男、女房に死なれ早期退職後はボランティアに入れあげている男、会社で勤めてきた男、と人生はそれぞれ。

    せっかく集まったのだからクラス会をしようと、6人で準備委員会を名乗り、ちょっとずつ無理のない範囲で進めていくことになった。

    小学生の頃の面影と思い出を、今の姿にダブらせたりもしつつ、6人はそれぞれに、初恋の相手にボーっとなってみたり、不倫もどきに走りそうになったり、自分の人生と照らして、人の人生をうらやんだり、見下したり。「同い年」だから、こんなにも、比べて、一喜一憂するのであろうか。

    青く見えた隣の芝生は、実は枯れそうになっていたり、手入れがなされずボウボウになっていたりするのだった。

    6人があっちこっちと絡みながら話がすすむので、ときどき、えーとこれは誰やったっけと数ページ戻って確認しつつ読む。小学校のときの同級生と集まる機会は私にあるかなーどうかなーと思う。

    平安寿子、いつもながらオモロかった。

  • 元恩師の息子の選挙活動を応援する会、を謳った同窓会で再会した男女6人。小学校6年生の時のクラスメートは、更年期も乗り切って、もう50代の傍から見たら立派な「おじさん」と「おばさん」だが、気持ちはまだ若い。
    結婚しているもの、独身を続けてきたもの、離婚、死別、子持ち、孫持ち、要介護の親持ち、境遇は様々だが、みんな「男でいたい」「女でいたい」「でもちょっと面倒くさい」と微妙な色気や我欲や見栄がある。
    そんな物悲しくもおかしい、笑えるけれどちょっと哀愁も漂う中年男女のラブアフェア(なのかなぁ?)を皮肉にコミカルに描いている。
    あと何十年か生きたら、私もこの中の誰かのような心持ちになるんだろうか。

  • ひさかたぶりの同窓会に集まった男女たち。
    みんなもうおじさんとおばさんで、体力気力は落ち気味、介護や子供たちの就職にと心配の種もつきない。
    しかし、初恋の人に会えば胸がきゅんとし、同時代のテレビ番組、漫画、流行歌を思い出すと懐かしさに気持ちが温かくなる。
    幾つか新たな同級生カップルもできたが、その恋の行方は?熟年こその「希望」を求める50歳を過ぎた人々に、愛をこめて贈る同窓会小説。

    年をとることに慣れよう。
    悪いことばかりじゃないはずだ。
    とは、まさにその通りですね。
    こういう話がわかるようになってきた今日この頃です。

  • 1 愛のプレリュード 2 男の子女の子 3 プレイバックPart2 4 愛なき世界 5 HELP! 6 希望
    昭和28年生まれのおじさんとおばさんになった同級生
    占部久美子(独身 銀行)、川野緑(主婦 孫あり)、水本順子(バツイチ ハウスクリーニング)
    三村寛治(アナウンサー)、中田高志(妻と死別 製薬会社)、江口正彦(仏壇屋)

  • 小学校六年生の時の担任の息子の、選挙応援する会で再会した50代の男女六人。クラス会をしようということになり、六人で準備委員会を立ち上げた。それぞれが様々な悩みを抱える中、人間関係が交差する。

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