IDENTITY (アイデンティティ) 尊厳の欲求と憤りの政治

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022516060

感想・レビュー・書評

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  • 筆者は、アイデンティティの尊厳が求められているとする。これを解決するアイデンティティの政治が必要であるが、これが解決が困難な状態が現れ、安易にジェンダーやLBGTのようなより狭い問題に集中する様になった。これにより、アイデンティティの尊厳を求める最も大きな中間層の要求に、既存の中道左派が応えられない事が、現在の課題であるとする。
    移民を含めたより多くの人を巻き込むアイデンティティへの取り込みにより、解決することが出来るとするが、その具体的な方法は明確でない。
    移民への言語等の文化教育も行き過ぎると、移民のアイデンティティを奪うことにもなりかねない。

  • バランスのとれたポピュリズムに対抗する上で必要な国家アイデンティティについての議論。著者はもともと米国保守派の位置づけだと思うが、一貫した姿勢をとってきて、結果的にリベラルな位置づけになっている印象。

  • ここ数年の政治や社会の対立軸に対して、ぼんやりと思っていたことを言語化してくれたような著作であった。
    ”アイデンティティ”言いかえると”承認欲求”ということか。
    結局は社会全体が豊かになってきたということだろう。比較の問題はあっても。
    この”アイデンティティの政治”の考え方は大きな視点だけでなく、身近なコミュニティや会社内のことでも応用できると思う。どうすれば所属メンバー全員が生き生きと前向きになれるか。人材育成という観点で、エンゲージメントというワードが注目されてきているが、根底にあることは本書に近い気がする。

  • 背景知識が足らずほんやりとしか理解できていないが、「なぜ今さら世界の政治はこうなっているのか」が分かった気がする。勉強しつつ、またじっくり再読したい。

  • 東2法経図・6F開架:310.4A/F85i//K

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著者プロフィール

1952年、アメリカ生まれ。アメリカの政治学者。スタンフォード大学の「民主主義・開発・法の支配研究センター」を運営。ジョンズ・ホプキンズ大学やジョージ・メイソン大学でも教えた。著書『歴史の終わり』(三笠書房、1992年)は世界的なベストセラーとなった。著書に、『「大崩壊」の時代』(早川書房、2000年)、『アメリカの終わり』(講談社、2006年)、『政治の起源』(講談社、2013年)、『政治の衰退』(2018年)、『IDENTITY』(朝日新聞出版、2019年)などがある。

「2022年 『「歴史の終わり」の後で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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