- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022516060
感想・レビュー・書評
-
筆者は、アイデンティティの尊厳が求められているとする。これを解決するアイデンティティの政治が必要であるが、これが解決が困難な状態が現れ、安易にジェンダーやLBGTのようなより狭い問題に集中する様になった。これにより、アイデンティティの尊厳を求める最も大きな中間層の要求に、既存の中道左派が応えられない事が、現在の課題であるとする。
移民を含めたより多くの人を巻き込むアイデンティティへの取り込みにより、解決することが出来るとするが、その具体的な方法は明確でない。
移民への言語等の文化教育も行き過ぎると、移民のアイデンティティを奪うことにもなりかねない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
バランスのとれたポピュリズムに対抗する上で必要な国家アイデンティティについての議論。著者はもともと米国保守派の位置づけだと思うが、一貫した姿勢をとってきて、結果的にリベラルな位置づけになっている印象。
-
ここ数年の政治や社会の対立軸に対して、ぼんやりと思っていたことを言語化してくれたような著作であった。
”アイデンティティ”言いかえると”承認欲求”ということか。
結局は社会全体が豊かになってきたということだろう。比較の問題はあっても。
この”アイデンティティの政治”の考え方は大きな視点だけでなく、身近なコミュニティや会社内のことでも応用できると思う。どうすれば所属メンバー全員が生き生きと前向きになれるか。人材育成という観点で、エンゲージメントというワードが注目されてきているが、根底にあることは本書に近い気がする。 -
背景知識が足らずほんやりとしか理解できていないが、「なぜ今さら世界の政治はこうなっているのか」が分かった気がする。勉強しつつ、またじっくり再読したい。
-
東2法経図・6F開架:310.4A/F85i//K