鴻上尚史のほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋
- 朝日新聞出版 (2019年9月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022516312
感想・レビュー・書評
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ネットで時々読んでいたが、まとめて読むとどれも素晴らしかった。深刻な相談も多いが、鴻上さんは相談者に見えなかった悩みの本質をついて適切なアドバイスをしている。目の前にいるような優しい語り口も素敵。押し付けでも叱責でも同情でもない、胸をすくような回答に脱帽だ。
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質問はヘビーでも、回答はにっこりほがらかな人生相談集。
ほがらか(朗らか)って、そういえばどういう意味だっけ?と思い、goo辞書で調べてみたところ、4つの意味があるそうです。
(↓goo辞書より引用)
1 心にこだわりがなく、晴れ晴れとして明るいさま。
2 明るく光るさま。日ざしが明るく、空が晴れわたっているさま。
3 広く開けて明るいさま。
4 あいまいさがなく、はっきりしているさま。
質問の内容はどれも深刻で、重苦しく、全然明るくありません。
けれど鴻上さんの回答を読むと、なぜかぱあっと光がさしこんでくるような気がするのは、なぜなのでしょうか。
どの回答も、にこにこしながら回答される鴻上さんの姿が浮かぶし、言い方もとてもやさしい。
なのに、曖昧さなんてまったくなく、順番を追ってなぜこの回答内容になっているのか、理由をはっきり述べられています。
まさに、“ほがらか”な回答ばかりなのです。
相談者さんへの愛が見え隠れするほがらかな回答は、真似しようと思ってできるものではありません。
もし、今度自分のまわりに相談内容に近い悩みを持っている人を見かけたら、「鴻上尚史のほがらか人生相談」を、そっと手渡してみようと思います。 -
久しぶりに本を一気読みした。メンタル弱ってるからしみた部分もあるけどすっと入ってきたな。相談者が淡々と混乱してたりねじ曲がってたりするのが怖くも興味深く、鴻上さんの回答も、あたたかいけど一貫して冷静で泣けた。この本が流行る社会、悪くないじゃん。
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人には様々な悩みがあるが、とても丁寧に相談に回答している。若い人から高齢者まで読んで参考になる本である。
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Twitterから、Webで公開されている数話を読んでおり、書籍化が気になっていたところ、Kindleセールがあったので購入した。
育児のと友人に絶交されたやつは、一度読んでいたが、やっぱり良かった。
通して読むと、鴻上さんの信念(やらない後悔よりやって後悔、同調圧力への抵抗)が見えてくる感じがして、それも良かった。 -
優しくてあたたかい、
スーッと心に入ってくるメッセージ。
相談者じゃなくても、
うんうんと納得してしまう
人生において的確なアドバイスが
沢山あった。
読んでよかった。
個人的には、
「他人に迷惑をかけられるたびに
心底イライラしてしまいます」
の回答がすごく心に響いた。 -
webで幾つか読んでいて、どれも胸に沁みたので本になって嬉しい。
向き合う姿勢も選ぶ言葉もとても好き。 -
月刊誌『一冊の本』(朝日出版)とインターネットのAERA dot.に掲載された読者からの相談と著者の回答28本をまとめたもの。
相談内容も回答も決して「ほがらか」とは言い難い、深刻なものだが、これからの人生をほがらかに生きるために、相談者に寄り添い、受け入れられそうな(相談者に合わせた)スタイルで具体的な処方箋を提示していることに感心する。
相談自体も選ばれたものだろうが、およそ相談者自体が状況を認識し、答えを理解しているorヒントを書いていることにも気付かされた。
自分にも参考になる回答内容、世界観、問題意識、関連書籍などがいくつもあった。
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