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- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022519115
感想・レビュー・書評
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ファンなので、新刊は単行本ですぐに買う。
とても短い短編2篇と中篇5篇、どれもとても面白かった。
パートナーに裏切られる人が何人か出てくるが、その反応が、意外と悲しくない、悔しくない、といったもので、そんな自分に戸惑う様子が印象に残った。ま、そうだよな…という諦めにも似た感情を抱えながらも日常を過ごし、ある日何かのきっかけで世界がぐらりと揺らぐ。悶々としていたのは、相手の裏切りにあったからではなく、気付いているが何となく蓋をして、本当の自分の感情や生き方に向き合っていなかったことなのだと。本当に大切なものは、自分の中にある。大切にしていたお皿が割れて歯が痛くなった人もいた。まさか?と思うようなことが自分にとって、とても大切だったりする。心の澱を少しずつ出すことで、少し心が軽くなり、その分、光の方に進んでいけるのかもしれない。
愛犬を亡くした小4の男の子の強く芽生えた想い。「ポコをあれほどしがみつかせた何かが、きっと、この世界にはあるはずだ。あのふんばりに値する何か。生きる真価のようなもの。探して、きっと捕まえる。たとえ世界がどんなふうに変わっていこうとも。」清々しく力強く、心に残った。こんなに短い短編なのにすごい!詳細をみるコメント0件をすべて表示