- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022519115
感想・レビュー・書評
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短編集。
人生ってなんだろう?とは常々考えているところですが、
今のありのままで、迷うこともまた生きるということなのだと。
日々の奇跡や運命の重なりで、現在なのだと。
考えても抗えない、不思議な流れのなかで生きているのだと。
不思議な感じになりました。
「あした天気に」が私は好きです。
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なんて素敵な物語だろう。
どの短編からも、明日へ一歩踏み出す勇気が伝わってくる。
たとえ物がしゃべり出したり、不思議な能力のある人物が登場したって
主人公たちを取り巻く環境は、とことんシビアで現実的だ。
だからこそ、人間の苦悩を簡単に消し去る魔法なんてないんだよなと
自分の力で前に進むしかないのだと
読んでいてムクムクと力が湧いてくるのかもしれない。
個人的にはたった3ページで終わる「ポコ」が好き。
何度も何度も、繰り返し読みました。 -
どの話も面白かった。
1話めの「雨の中で踊る」で、コロナ禍のちょっと風変わりな出来事を綴った短編集?と思いましたが、全然そんなことはなかった。
7編それぞれに人生の切り替え方がシリアスに、時にはユーモラスに描かれていて元気が出る1冊でした。
表題作の、装丁からも怖そうと思った「獣の夜」が一番好き。
(どこかでジビエフェアやってないか探してしまった)
「太陽」「スワン」も良かった。 -
短編集。好みが分かれるお話もあるかもしれんど、私は好きだなぁ。テルテル坊主の神様の話とか、ほっこりするやん。
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長さも、趣も、書かれた時期も、掲載された場所も全く違う短編7篇。だけど、何故か作品全体としてのまとまりを感じるから不思議。
森さんの作品を読むのは「みかづき」以来だけど変な技巧に走らず、すんなり頭に入ってくる文章が心地よい。
コロナ禍の最中に書かれた物語には、人々の日常に知らず知らずのうちに影響を与えているコロナの姿が背景として効いていて上手いな〜と思う。
一番好きなのはやはり表題作の「獣の夜」。
女二人がジビエを食べながら解放されていく姿は痛快の一言。
心の奥深くにしまい込んだ痛みを直視し、向き合うことの大事さを描く「太陽」と「スワン」もしみじみいい。
サクッと読めるけど、なかなか奥の深い作品集でした。 -
どの話も面白かった。コロナ禍の話もいくつかあり、それぞれがどこかにパンチがある話、中でも最後のあした天気には一番モヤっと、いや、ある意味でイヤミス的な要素が入ってて好きって思った。表題作の獣の夜はジビエが食べたくなるし、ドロっとした感情があるはずなのにとてもうまくまとまってる感じが好感的。
それぞれのボリュームもちょうどよく読みやすかった -
短編集。
表題作の「獣の夜」は
江國香織さんみたいな
テイスト。
「スワン」など数編は筒井康隆の
ショートショートみたいな、
ファンタジーで笑えて
心があったかくなるストーリー。
一番好きだったのは「あした天気に」
これが表題でも良かったんじゃないか?と個人的には強く思った。
設定はユニークで、
空想好きな森絵都さんが、楽しみながら書いたんじゃないかな?と
想像させる。
でも、どの短編をとっても、
誰もが共感できる部分が必ずある。
過去への後悔だったり、
家族との確執だったり、
恋愛観だったり。
本当に大切なもの、って何だろう?
ここにあったね、これだったね。
ほら、見えたよね。
軽いタッチの
短編集でありながらも、
こういった人間の本質を
垣間見せてくれるあたり、
やっぱり、森絵都さん好きだ!
風に舞い上がるビニールシート、
は勿論、
みかづき、
漁師の愛人も好きな作品。
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「獣の夜」含む7つの短編集
順風満帆ではない日々から解放されていく
少し不思議な話達
好きな話は
「太陽」
心因性の歯の痛みに医師が寄り添う言葉と薬
優しい気持ちになる
「獣の夜」
学生時代、先に付き合った男と付き合い結婚した友人を祝う席に案内するはずが、、
あっけらかんとした女同士が獣を食す
男前な姿にすっきりする
久しぶりに森絵都さんが読めて嬉しい -
コロナ禍もちょっと影響する短編集。
タイトルと表紙のイラストから想像するものとは全く異なる、美味しい話の“獣の夜”も面白かったし、開き直った感の“雨の中で踊る”も良かった。
最後の“あした天気”には温かい気持ちになった。
超短編の“ポコ”も良かった〜。