ゲーテとその時代 (朝日選書 546)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022596468

感想・レビュー・書評

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  • SE1a

  • 1749年に生まれ1832年に死去したゲーテの生涯の叙述が本書の中心であるが、ゲーテの作品解説というよりも、ゲーテの伝記的事実や作品から読み取ることのできる社会状況や政治状況についての叙述に比重が傾けられている。本書を通底する歴史観は、R. コゼレックによる「はざま期」(Sattelzeit)という時代規定、すなわち、1750年から1850年にかけての時期に、ドイツは古いものと新しいものが交錯する近代への移行期を迎えたという規定に基づいている。その意味で、啓蒙絶対主義から1848年革命に結実していくような大衆政治運動までも目撃したゲーテは、このような「はざま期」を描き出すのに格好の人物である。そのゲーテが同時代の動向に対して時に順応しつつ(政治家としてのゲーテの側面の紹介もかなりなされている)、時に拒否反応を示していた(ゲーテの貴族観とフランス革命に対する拒否反応)経緯が極めて整理されたかたちで叙述されている。

  • ゲーテは、1749年8月28日に生まれ、1832年3月22日に没している。オスカルさまより6歳年上で、他の作品で紹介したドゥノン同様、旧体制、フランス革命、ナポレオン帝政、ウィーン体制前半を見届けた生き証人となる。彼の目を通してこの時代を描いたのが本書。なお、ゲーテは9歳で天然痘を、19歳頃には肺とリンパ線の結核性の病気(と言われている)を乗り越えて82歳まで生きている。

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