- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022597342
作品紹介・あらすじ
古代の日本の持つ二つの顔。777年、宝亀の遣唐使は船出した。大使の仮病、難破、漂流…一行の苦難は続く。なにを求めて中国へ行き、なにを持ち帰ったか。中国との駆け引きは?東アジア世界の片隅で懸命に生き抜く日本。ある一行の旅路のすべてを検証する手法で迫る新・遣唐使論。
感想・レビュー・書評
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遣唐使関連では必ず目にする著者で、宝亀年度の遣唐使をメインに取り上げてありますが、勿論時代通しての遣唐使そのものにも触れてあり、面白かったです。
遣唐使といえど、最近は真備や仲麻呂関連寄りばかり読んでたから偏ってたので。
宝亀度遣唐留学生の伊予部家守と『切韻』や『春秋』の話、桓武天皇の詔勅に見える引用との関わりを例に挙げて皇統の変換において大いに利用されてる話など興味深い。
対日本でばかり諸外国を見てしまうけど朝鮮諸国との違いにも触れてあり、唐と日本の距離感を上手く使った外交政策にはなるほどなと思わされます。当時の人々もそれは当然意識してたものかと。(道教輸入を拒否とか)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大沢清臣本壬生官務家文書、石上宅嗣(儒林先生)についてはp.39~40。森公章『遣唐使の光芒』もあわせて読むこと
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宝亀8年の遣唐使の軌跡を追う形。
唐と日本の関係、遣唐使の旅立ちから帰国まで、船の構造、航海術、遣唐使船が運んだモノ、唐物目利と勅旨省、羽栗翼、喜娘、日本に来た外国人、阿倍仲麻呂。
コラムとして古代文学と遣唐使の関係、遣唐使の唐風名。
図表として、遣唐使一覧、朝鮮半島情勢の変化と遣唐使の航路、「聖徳太子絵伝」、「吉備大臣入唐絵詞」、「鑑真和上東征絵伝」、主な唐名一覧、法隆寺に伝わった白檀原木、調度品・奢侈品の調達と宮司の変遷、桓武天皇の系譜。