- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022599025
作品紹介・あらすじ
2005年、世界のGDPランキングで中国はフランス、イギリスを抜いて第4位に浮上しようとしている。邁進する中国のパワーの背景には「科学発展観」という大きな目標があった。「科学発展観」とは国を発展させるためには、科学を発展させる、そのためには知識を高め勉学に励む、そしてその手段として外国を熟知する、という概念を含む。中国政府が掲げたこの目標の裏には清華大学、北京大学をはじめとする超"頭脳"集団を作りあげる教育構造があった。ひとりでも多くの優秀な頭脳を生み出すための教育システム。欧米の有名大学からヘッドハンティングされる学生たち。そして彼らの多くが欧米の頭脳ともなっていく…。「科学発展観」を支える中国の一流大学の実態とはいかなるものなのだろうか。現役の清華大学招聘教授が、中国の"頭脳"を明らかにする。
感想・レビュー・書評
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中国のエリート輩出校の『実力』がどれ程のものなのか、という事をこの本は示している。中国では受験戦争が過熱し、一流校への入学は相当なものだとは知っていたが、この本を読んで、自分の認識よりもさらに過酷な受験戦争がそこにあることを知った。
また、その試験を潜り抜け無事清華大学/北京大学に合格した学生は、さらに大学でもハングリーさを発揮し、勉学にまい進する様子が描かれている。
現役の大学生として、かなりこの本の内容はショックであり、もしこの本がおおむね正しいのなら、自らの通う大学との差を痛感させられた。
特に「アメリカの大学から、直々にスカウトが来る」という事実に愕然とし、日本の大学でアメリカからスカウトに来るような大学があるかどうかを考えた時、かなり衝撃を受けた。
ただ、筆者の二大エリート校に対する視点はかなりバイアスがあるように思える(持ちあげすぎな気がする)ので、鵜呑みにはしないほうが良いように思える。
ただ、今通う大学と彼らの通う大学の差に愕然としたことで、彼らと張り合うには自分で何とかしなくちゃいけないという事に気がついた、この点だけでも良かったと思う。