氷点 下 (朝日文庫 み 1-2)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022601520

感想・レビュー・書評

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  • 妬み、嫉み、嫉妬、復讐、信念、人間の本質が描かれていた。
    続編があるようなので、いつの日か。

  • 2022.1.22

  • マジか!なんだこりゃ!こういう結末か!これ、新聞連載だったと聞いていたけど、当時の読者はどんな感想だったんだろ?ちょっと衝撃的だったな。…え?続編があるの???

  • 人は多かれ少なかれ間違いをおかす。
    また、思い込みによって生きている。

    欲を言えば、陽子が犯罪者の娘であるという設定のままで、登場人物が「汝の敵を愛せよ」という言葉を受け入れながら、どう葛藤するのかという展開を見たかった。

  • 映像化された作品ということだけ知っていたが、
    ストーリーについては知らず読んでみた。
    継母の夏枝の自己陶酔がシンデレラを思わせる。

  • いや、引き取らないだろ、とか、陽子の幼少期、こんな子供いないだろ、というのは野暮ですかね。
    と思いつつ読みきったのに、ここで終わるんかーい!
    続編ありきなんですね。。どうしようかな

  • クリスチャン作家ならではの重く深いテーマも入っているのでしょうが、私にとっては美しく成長した娘に嫉妬する母の物語として読み取れました。
    殺人犯の娘でなくとも、もらい子でなくとも、血が繋がっていても娘に嫉妬する母親はいつの時代にも存在するものです……。

  • 人生の成り行きに唖然とする思い。
    罪深いとはどういう事か考える。

  • 後半は子世代スポット。いい感じにドロドロ。いい意味で綺麗すぎない。ラストは読む側に委ねられる感じ。後半、啓造の影が薄くなりがちだったのが個人的に残念…。

  • 旭川、会津若松などを舞台とした作品です。

  • 最大級の衝撃だった。
    高校生から何年も過ぎたけど変わらない。

  • 夏江が嫌な女として書かれている。

  • この作品をどうしても読み返したい衝動に駆られていた。
    ただ、手元に見当たらなかった為
    先に『続氷点(上)』『続氷点(下)』を先に読んでいた。
    後から見つかったので『氷点』へと続けて
    5日間で上記4冊を読み返すことになった。

    夢中になって、久しぶりにどっぷりと本の世界に入った。
    『氷点(下)』に至っては
    330ページあるのを2時間もかからずに読み終わってしまった。

    小さな本1つの中に、どれほど大きな世界がつまっていることか。
    扉を開けば1冊1冊の中の1つ1つの世界に入っていける。
    久々にこの感覚を思い出した。幸せだ。


    『氷点(下)』より、印象に残った箇所をメモ。
     
    ◆こんなのは愛じゃない。
     しょせんおれは感覚的にしか人をかわいがることができないのじゃないか。
     (中略)
     愛するというのは、ただかわいがることでない。
     好きというのともちがう
    (p.16からメモ)

    ◆写真なんか見たって、その女性の何がわかりますかね。
     会って見たって、わかりゃしませんよ。
     三カ月や半年ぐらいつきあったって、お互いにごまかせますからね。
     いいとこばかり見せ合うようですからね。
     (中略)
     ぼくはぼくなり、持っている結婚観ですよ。
     結婚してみなけりゃわからない。
     いや、結婚して何十年たったってわからない。
     人間ってそんなところがあるんじゃないですか
    (p.29-30からメモ)

    村井は千香子に乱暴をし、夏枝を誘惑し、私は決して好きではない。
    でも、村井のこの言葉はメモしておきたかった。
    相手のことを本当に知ることの、いかに難しいことか。
    結婚後に結果的に咲子を傷つけた村井の結婚観に同意はできないが、
    人と人との付き合いがどのようなものか
    村井は汚い面も含めて知るからこそ
    敢えて自分から切り捨てようとしているのだろうと思うと、
    それも一つの在り方ではあると思った。
     
    ◆陽子は泣きたくなった。 しかしめそめそするのは、きらいだった。
     いつか学校で先生がいった言葉、
     「汗と涙は人のために流しなさい」が陽子は好きだった。
     何となくわかる言葉だった。
     だから泣きたくなると、陽子はあわててこの言葉を思い出す。
     そしてにこっと笑ってみる。
     笑顔になると心が少し静まって、心まで笑っている。
    (p.63-64からメモ)

    小学3年生でこのように考える陽子がけなげでならない。
    「ほら、笑顔!」と言ってくれる
    敬愛する大切な人のことが思い出された。

    ◆働くということは、はたのものがらくになることだ
    (p.75-76からメモ)

    ◆でも、私は明るく生きたいわ。
     世の中には沢山の人がいるんだもの、
     おかあさんの影響だけを受けて、暗くなることはないんだわ
    (p.140からメモ)

    ◆自分が悪くなるのは自分のせいよ。
     それは環境ということもたしかに大事だけれど、
     根本的にいえば、自分に責任があると思うの。
    (p.186からメモ)
     
    メモをしていて、ふと想ったこと。陽子と自分の姿が重なる。
    真直ぐに懸命に生きる陽子。
    しかし陽子はその純粋さ故に、自分の罪の想いに耐えられず死を選んだ。
     
    私は陽子に対して敬愛する気持ちが大きいし
    陽子と自分が同じであるというほど驕るつもりもない。
    ただ、自分が中学時代から抱えていた「生きづらさ」というのを
    これを読んで思い出した。
     
    真剣に生きることは、すごく大切だ。
    10代で出逢って以来、私自身は
    三浦さんの言葉に育てられてきた面も大きいと思う。

    ただ、まっすぐ故に生きられなくなった陽子に
    「そんなに思い悩まないで」と声をかけてあげたくなる気持ちも
    今の私にはあるのが正直なところだ。
     
    でもそれは、いいことではない。
    しかし、悪いことでもない。
    ただ、これが、「今の私」なのでしょう。
     
    私としては、一つの成長でもあると思う。
    しかしやはり、自分の根本には
    「まっすぐでありたい」という想いがあるのだな、と
    改めて考えさせられた。

    ……さぁ、どう進んで行こうか。

    (2010.05)

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――

    (メモ:中等部3年のときに読了。
     その後、購入し、数回読みました。)

  • すぐに続きが読みたくなりました。久々に必死です(笑)これも、いいところで終わっちゃうんで、また、次へ飛びつきます。2008.6.5読了

  • 昔、一回読んだな。と下巻の最初くらいに気付きました。同年代だったからか、小学校時代の陽子メイン(新聞配達とか)が記憶に残ってて、それ以外の夏枝や啓造のドロドロとか陽子の恋とか全然覚えてなかったです。しかし今読むと全部おもしろい。みんな自分勝手すぎておもしろいんですが、時に北海道に住んでいて著者が感じたであろうことを表現している部分とか好きです。

  • 「許す」ってことが、どれだけ大変なことで人の心を動かすのかと思います。

  • 我バイブル?。
    自分が欲しくて得られなかったものがあります。

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三浦綾子の作品

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