田中角栄と戦後の精神 (朝日文庫 は 13-1)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 10
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022610713

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 田中をしばしば襲った政治的危機を一再ならず救ったのは、結局新潟三区の指示だった。

    自治省か郵政省は伴食大臣ということだったけれど、田中はここで電話とテレビに出会った。個人情報は電話で、マスはテレビでより速くより豊かに伝えるメディアは高度成長経済の水先案内人だった。新潟にもすぐに公衆電話が設置された。
    田中に陳情する第一の意味は、できることと出来ないことの区分である。
    田中はのちに建設省に巨大な影響力を築くが、それは田中が政界で出世、権力を握って、ただ上から支配しただけのもではない。それ以前から呑んだり食ったり驕ったり、細かい付き合いの積み重ねで人間関係をつくっていた。そういう地下水のように目立たないけれど確かな結びつきが新潟三区に公共事業を持ってくることに何ほどか役立っていた。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1945年生まれ。朝日新聞政治部記者として、田中角栄の番記者などを皮切りに歴代政権を取材。書名コラム「ポリティカにっぽん」を1996年4月〜2010年3月まで連載。

「2014年 『日本の今を問う 沖縄、歴史、憲法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

早野透の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×