暴力の学校倒錯の街: 福岡・近畿大附属女子高校殺人事件 (朝日文庫 ふ 20-2)
- 朝日新聞出版 (2002年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022613912
感想・レビュー・書評
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教師も学校も街も狂ってる。被害者の立場になると何も言えない。事故ではなく殺人だ。学生時代体罰を受け続けたが、その憎しみが消えることはない。褒めるからこそ伸びることもある
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再読本。
教師の体罰によって死んでしまった女子高生。
しかし守られるのは加害者の教師で、被害者側は誹謗中傷にさらされるという異常な事態を描いた藤井誠二のルポ。
刺青をしていたとか、被害者側のありもしないことがデマとして流れることはもちろん情けないことだが、それ以上に「先生の運が悪かった」「殴られる側に問題がある」「先生は正しい」などと、簡単に言える人間性が恐ろしい。
どちらが弱者であるのか、残された遺族の気持ちは、など想像できないのだろうなぁ。。。
事件が起こった福岡のこの都市全体が、権力者であるお上(ここでは麻生財閥)への服従=波風を立てない、街全体が学校化してしまうことで教師・学校側への批判は悪とする体制が出来てしまっていると著者は指摘している。
その後は、この学校はどうなったのだろうか。
再読してもよく出来たルポでした。 -
1995年に福岡県飯塚市で発生した、
教師の体罰によって女子高校生が死亡した事件の詳細なルポ。
体罰を容認するのは学校だけでなく、
その学校を含む地域も同様で、
教師の体罰によって命を奪われた被害者と、
遺族に関する悪意あるデマが蔓延していく様が恐ろしい。
周辺住民の多くが、
加害者がむしろ不運だったのであって、
そのような行き過ぎた「指導」を招いた被害者に
非があったに違いない――という思い込みを肯定し続けた結果、
被害者は名誉を傷つけられるという形で
「二度殺される羽目になる」。
それに対する著者の怒りがバシバシ伝わって来た。