日本社会で生きるということ (朝日文庫 あ 35-1)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022614032

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  • 西洋中世史の研究者で、『「世間」とは何か』(講談社現代新書)で西洋の個人主義に基づく「社会」とは異なるこの国の「世間」の構造に切り込んだ著者の講演を収録しています。

    著者はけっして、「世間」への囚われから脱して西洋的な個人主義へと向かわなければならないという主張をしているのではなく、ただわれわれの思考を深いところで規定している「世間」というものに対する自覚を深めなければならないと論じています。

    講演に基づいているため、著者の「世間」についての考えかたがわかりやすく説明されています。西洋史のなかで個人主義がどのように成立したのかを解き明かし、また、「世間」という視点からの差別の問題にかんする考察がおこなわれていて、いずれもおもしろく読みました。

  •  世間 ハーソナルな、人的な関係で、いわば個人と個人がむすびついているネットワーク
     世間のもっている排他的な傾向
     日本人が一体だと考えているのは世間という人間関係
     これから皆さんは社会にでるのではない。世間にでるのだ。そのときに自分の世間がどこかわからないようではどうにもならない。したがって、じぶんが会社にはいったら会社尾度の世間にいるかをまず発見すること。それはだれも教えてくれない。聞いてもだめ。したがって、自分がどこの世間にいるかということをしるために数年かかるだろう。

  • 閉塞感の理由が分からなくてさらに閉塞している人は、これを読んで考えよう。

著者プロフィール

1935年生まれ。共立女子大学学長。専攻は西洋中世史。著書に『阿部謹也著作集』(筑摩書房)、『学問と「世間」』『ヨーロッパを見る視角』(ともに岩波書店)、『「世間」とは何か』『「教養」とは何か』(講談社)。

「2002年 『世間学への招待』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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