本当はブラックな江戸時代 (朝日文庫)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022619914

感想・レビュー・書評

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  •  江戸時代を理想化する風潮へのアンチテーゼとして書かれている。実は不潔で犯罪も多かった江戸時代の真実を描こうとする。
     その上で思うのは、なぜこの時代が長く続き、独自の文化が育まれたのかということである。
     決して理想郷ではなく、繰り返されてはならない時代であるが、その時代に醸成された生活の、あるいは社会の知恵とでもいうべきものは知りたい気がした。

  • 江戸を粋で鯔背なエコロジー社会と持ち上げるのは、いかがかと思うが、一方でブラックと決めつけるのもどうだろう?
    現代と比較すれば江戸時代はどこであろうとブラックになるだろう。
    清潔さについても、昭和の頃にはシャンプーは週1回が当たり前だったし、現在でも山村では山の水をそのまま飲料水として使用している所もある。下水道も田舎にある実家では20年前は完備してなかった。
    同時代であればヨーロッパでも庶民の子どもは10歳くらいから働いていたし、親が子にかける時間は今より圧倒的に少なくて当たり前だったろう。だって家事にかける時間が違うんだもん。
    食事についてご飯の量の多さに言及している箇所があったが、肉体労働者なら1日1升飯は驚くことではないと思う。実際体育会系男子が「家では1食で3合食べますよ。俺の炊飯器一人暮らし用なんで3合までしか炊けないんですけど」と言っている。
    まぁ、やたら理想化するのも何だが、時代を鑑みればブラックと言うほどでもあるまいと思う。

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著者プロフィール

1949年生まれ、97年に『算学奇人伝』で第六回開高健賞を受賞。本格的な作家活動に入る。江戸時代の庶民の生活や文化、春画や吉原、はては剣術まで豊富な歴史知識と独自の着想で人気を博し、時代小説にかぎらず、さまざまな分野で活躍中。シリーズ化した『秘剣の名医』がヒット中。『幕末一撃必殺隊』が『いちげき』(漫画・松本次郎)としてコミック化し、2023年1月NHK時代劇としてドラマ化された。

「2023年 『ご隠居同心』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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