歴史の中で語られてこなかったこと おんな・子供・老人からの「日本史」 (朝日文庫)
- 朝日新聞出版 (2020年8月7日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022620194
作品紹介・あらすじ
日本史の教科書を紐解いてみると、歴史的な重要人物、事件の主人公は壮年期の男ばかりである。しかし、歴史民俗的な視点で日本列島の歴史を遡ってみると、中世の女性・子供・老人たちは実にいきいきとしている。養蚕と織物、行商の世界では女性が活躍し、未来を予見するのは子供たちの噂・歌・言葉の世界。さらに子供たちは民俗行事でも重要な役割を担っていた。経験値を持った社会の調整役としての「老人力」は、歴史を動かしている。女性・子供・老人を主人公に歴史を見直せば、男・コメ・農民中心の従来の日本像がひっくり返るのだ。歴史学と民俗学の泰斗が語りつくす、目からウロコの歴史世界。
感想・レビュー・書評
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1997~98年にかけて行われた対談をまとめた第1部と、1982~95年にかけての5つの対談を収録した第2部とで構成。「百姓=農民ではない」や「女性=被抑圧者とは限らない」など、網野さんの著名な説が繰り返し論じられているが、清水三男や渋沢敬三といった先駆者の仕事を語る部分が面白かった。
第1部では網野批判への反論がかなり強く述べられており、本人曰くアルコールが少し入っていたとのこと。もっとも、それを削らずに活字化する当り、確信犯というか、よほど苛立っていたのだろうか。
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