歴史の中で語られてこなかったこと おんな・子供・老人からの「日本史」 (朝日文庫)

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022620194

作品紹介・あらすじ

日本史の教科書を紐解いてみると、歴史的な重要人物、事件の主人公は壮年期の男ばかりである。しかし、歴史民俗的な視点で日本列島の歴史を遡ってみると、中世の女性・子供・老人たちは実にいきいきとしている。養蚕と織物、行商の世界では女性が活躍し、未来を予見するのは子供たちの噂・歌・言葉の世界。さらに子供たちは民俗行事でも重要な役割を担っていた。経験値を持った社会の調整役としての「老人力」は、歴史を動かしている。女性・子供・老人を主人公に歴史を見直せば、男・コメ・農民中心の従来の日本像がひっくり返るのだ。歴史学と民俗学の泰斗が語りつくす、目からウロコの歴史世界。

感想・レビュー・書評

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  • 「歴史の中で語られてこなかったこと」網野善彦、宮田登著|日刊ゲンダイDIGITAL
    https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/279006

    朝日新聞出版 最新刊行物:文庫:歴史の中で語られてこなかったこと
    https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=22122

  • 1997~98年にかけて行われた対談をまとめた第1部と、1982~95年にかけての5つの対談を収録した第2部とで構成。「百姓=農民ではない」や「女性=被抑圧者とは限らない」など、網野さんの著名な説が繰り返し論じられているが、清水三男や渋沢敬三といった先駆者の仕事を語る部分が面白かった。

    第1部では網野批判への反論がかなり強く述べられており、本人曰くアルコールが少し入っていたとのこと。もっとも、それを削らずに活字化する当り、確信犯というか、よほど苛立っていたのだろうか。

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著者プロフィール

1928年、山梨県生まれ。1950年、東京大学文学部史学科卒業。日本常民文化研究所研究員、東京都立北園高校教諭、名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授を経て、神奈川大学経済学部特任教授。専攻、日本中世史、日本海民史。2004年、死去。主な著書:『中世荘園の様相』(塙書房、1966)、『蒙古襲来』(小学館、1974)、『無縁・公界・楽』(平凡社、1978)、『中世東寺と東寺領荘園』(東京大学出版会、1978)、『日本中世の民衆像』(岩波新書、1980)、『東と西の語る日本の歴史』(そしえて、1982)、『日本中世の非農業民と天皇』(岩波書店、1984)、『中世再考』(日本エディタースクール出版部、1986)、『異形の王権』(平凡社、1986)、『日本論の視座』(小学館、1990)、『日本中世土地制度史の研究』(塙書房、1991)、『日本社会再考』(小学館、1994)、『中世の非人と遊女』(明石書店、1994)。

「2013年 『悪党と海賊 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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